原発「リスクとコストは国民もち。再稼働は反対」と専門家

NEWSポストセブン / 2014年2月25日 7時0分

 脱原発の敗北――舛添要一氏(65才)の圧勝で幕を閉じた東京都知事選挙は、そう受け止められている。

 開票日翌日、それまで原発再稼働に関する発言を避けていた安倍晋三首相(59才)が衆院予算委員会でこう語った。

「新たなエネルギー基本計画を踏まえ、再生可能エネルギーの導入状況や原発再稼働の状況を見極め、できるだけ早くベストミックス(火力・水力・原子力など、各電源を最適なバランスで組み合わせること)の目標を設定する」

 これは事実上、原発の再稼働に向けた号砲なのだという。いったいどういうことなのか。民主党参院議員で、元内閣官房副長官の福山哲郎氏(52才)が言う。

「再生可能エネルギーの導入状況についてわざわざ言及したのは、要するに充分に導入されていない、だから原発を重要な電源として活用しなければならないという論法です。

 しかしそれは間違いです。再生可能エネルギーの導入を支援する仕組みを整えれば、それが広がっていくのは、ぼくらが政権にいた時に実証済み。きっちり予算をつけて普及を進め、技術革新を促進していけば、日本の技術力からいって、脱原発の実現は可能なのです。

 ところが、残念ながら安倍政権は、ともすれば原発を再稼働したいと考えているため、対応が後手に回っているのです」

 安倍首相が語った “原発再稼働の状況”については、福山氏はこう批判する。

「都知事選の結果を受けて、再稼働に向けた状況が整ったと言いたいのでしょうが、それは選挙結果をあまりにも自分たちの都合のいいように解釈しています。

 勝った舛添さんも原発を減らしたいと主張していたのですから、むしろ都民のメッセージは、脱原発に向けて現実的な対応をしてくださいということだと考えるのが自然でしょう」

 現在、全国にある54基(うち福島第一原発の1~6号機は廃炉が決定)すべての原発は運転をストップしている。それで特に大規模な停電などが起きていないにもかかわらず、安倍首相が原発を急いで再稼働させようとするのはなぜか。

 立命館大学国際関係学部の大島堅一教授(環境経済論)が言う。

「安倍首相は、原発のエネルギーコストが安いと考えているようですが、それは大嘘。事故のリスクを考えれば、コストは高く、しかもどれだけかかるか、計算できません。現に今、事故の損害賠償費用や収束費用が捻出できなくなっています。

 その結果、何をしているかと言えば、すべて国民に負担を押しつけている。いわば、リスクとコストはすべて国民持ち。再稼働に反対するのは当たり前ですよ」

 にもかかわらず安倍政権は、再稼働へと大きく舵を切ろうとしている。

※女性セブン2014年3月6日号

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