近藤誠医師「女性はピンクリボン運動の被害者です」と語る

NEWSポストセブン / 2014年2月25日 7時0分

 近著『医者に殺されない47の心得』が108万部のベストセラーになっている慶應義塾大学病院放射線科の近藤誠医師。1996年に著書『患者よ、がんと闘うな』で医療界に大論争を巻き起こし、25年間、独自のがん治療法を訴え続けてきた。

 男性特有の前立腺がんは今では放射線治療が主流。でも乳がんや子宮頸がんは切除が多く、女性たちはその犠牲になっていると、近藤医師は言う。

「近年、マンモグラフィ検診という乳房のレントゲン撮影が盛んで、多くの乳がんが発見されている。実はこれが大問題です。自覚症状がなく、マンモグラフィでしか見つからないのは99%が『がんもどき』だからです。それにもかかわらず、乳房を全摘されてしまう女性が大勢いるのです」(近藤医師・以下「」内同)

 ある40代半ばの女性は、マンモグラフィ検診により乳腺のなかに小さい白い粉がぱらぱらまかれたような状態の石灰化が見られた。その石灰部分を切り取り生検(患部の一部をメスや針などで取って調べる検査)を受けると「がんになる可能性がある」「いまは写らないが、乳管内全体にがん細胞が広がっているかもしれない」と、全摘を勧められた。

「ぼくはそういう女性には『乳がんといわれたことを忘れて生活しなさい』『またマンモグラフィをやると同じ結果になるので受けないように』と話しています。石灰化はがんではなく、女性ホルモンへの反応が強く出た乳腺症だとぼくは考えている。たとえがんだとしても、がん細胞が乳管内部に留まっている非浸潤性がんである限り問題ない。ぼくは20年以上そのままおいても石灰化が広がらず、腫瘍やしこりもできない女性たちをたくさん見てきました」

 2009年、アメリカ政府の予防医学作業部会は「40代の女性にはマンモグラフィによる乳がん検診は勧められない」との勧告を出した。マンモグラフィは、誤った診断により不必要な組織検査を受けさせられるデメリットが大きいというのがその理由だ。

「それにもかかわらず、日本は政府、自治体、医療・製薬業界、生命保険会社、有名芸能人まで抱き込んでマンモグラフィ検診を盛んに勧めている。女性は『ピンクリボン運動』の被害者です。それに石灰化はがんではなく、乳腺症だというぼくの説も広まらない。それは単なる乳腺症にしてしまうと組織診断をする生検、外科医、乳房再建手術をする医師など全員が困るからです」

 近藤医師は「女性の美と自信を取り戻す」と盛んに謳われる乳房の再建手術にも警鐘を鳴らす。乳房再建手術には主に2種類ある。生理食塩水などのバッグを入れる方法と、背中や腹直筋から筋肉や脂肪組織を持ってくる方法だ。

「新たに作った乳房が引っ張られたり、移植した部分に痛みが生じたりする。乳房全摘と再建手術を同時に行うと、満足度が低くなるケースが多いのです。乳房再建手術をやるとしても、少し考えてからにしたほうがいい。

 何より大事なのは、自分の乳房を残すこと。乳がんは病院により治療法が本当にばらばらなのです。9割以上温存する病院もあれば、2~3割というところもある。もし全摘と言われたら迷わず医者を変えて、自分の乳房を守ってください」

※女性セブン2014年3月6日号

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