筋力と免疫機能は別もの? 運動する人の感染リスクを検証

NEWSポストセブン / 2014年3月11日 16時0分

 味の素や明治、日清食品ほか大手飲食品メーカーで、スポーツ振興に力を入れている企業は数多い。その中でヤクルトもまた、多くのスポーツでスポンサードや商品協賛などを行なっている企業のひとつだ。

 すぐに思い浮かぶのはプロ野球チーム・東京ヤクルトスワローズだが、それ以外にも陸上・ラグビーといった実業団チームを持ち、J2・ジェフユナイテッドのオフィシャルスポンサーでもある。そんなヤクルトと関わりが深いのが、実は水泳競技。2005年からFINA(国際水泳連盟)とパートナー契約を結び、国内では2006年よりシンクロナイズドスイミング日本代表のトップパートナーに。そして2014年4月からは、競泳日本代表のスポンサーになることも決定した。

 FINAオフィシャルドリンクとして、世界水泳選手権大会、世界短水路選手権大会に大量のヤクルトを提供し、既に世界のトップスイマーがこぞって飲用。今後はロンドンオリンピック競泳で活躍した日本代表選手も、体調管理のため積極的に飲用していく予定だ。

 スポーツ選手の健康管理に、なぜ「ヤクルト」=乳酸菌「ラクトバチルス カゼイ シロタ株(以下、乳酸菌 シロタ株)」なのか? 2010年イギリス・ラフバラ大学において、スポーツ選手を対象にした珍しい臨床実験が行なわれた。

 このラフバラ大学は、オリンピックメダリストを数多く輩出するほか、スポーツ科学の研究で国際的に評価を受けている総合大学。臨床実験を行なったグリーソン教授は、同大学の持久系スポーツ選手である自転車部・トライアスロン部・陸上部(中長距離走)・水泳部等に所属する運動選手84名を対象に、ヨーロッパで市販されている「乳酸菌シロタ株」が入っている乳酸菌飲料の飲用試験を実施した。

 臨床実験の内容は、無作為に分けられた選手のうち、半数は「乳酸菌シロタ株」の乳酸菌飲料を、残り半数は「プラセボ」飲料(色や風味は同じで「乳酸菌シロタ株」を含まないもの)を16週間摂取。1週間ごとのアンケート調査を行い、試験開始前、8週目、16週目に血液と唾液を採取し、免疫パラメーターに対する影響を調査した。競技会の参加などで、実験の参加を途中辞退した選手もおり、最終的には58名のデータが集められた。

 その結果、1回以上風邪にかかった被験者の割合は、「乳酸菌シロタ株」飲用群では66%に対して、プラセボ飲用群は90%。風邪の平均発症回数も、プラセボ飲用群が2.1回に対し、「乳酸菌シロタ株」飲用群は1.2回と約半分であった。また、血液中の免疫パラメーターに変化は認められなかったものの、細菌やウイルスが体内に入った際に活性化する抗体のひとつで、唾液の中や、気道や腸管の粘液の中へ分泌され、バリアとして重要な役割を果たす「IgA抗体」の濃度が、プラセボ飲用群は低下したのに対し、「乳酸菌シロタ株」飲用群は一定のレベルに維持されるといった、両者群間の差異も具体的に確認できたという。

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