ネットの「嫌儲」 徹底リサーチと卓越した攻撃力で影響力大

NEWSポストセブン / 2014年3月17日 16時0分

「正直な話、今これだけ火がついてて、(私を非難している人たちの)名前も解らない、顔も解らない、何を対象に何を謝ればいい? それを説明して貰わないと。俺が誤った知識で暴言吐いて、それで心証を悪くされた方がいるなら心から謝罪します」

 日本最大のインターネット匿名掲示板「2ちゃんねる」。ふだんは世間に対し斜に構えた書き込みで埋まるはずの掲示板に、こんな真剣な謝罪文が掲載された。

 彼は、韓国、中国などを敵視する「ネット右翼」が多く集まる「東アジアニュース速報+板」(通称「東亜」)の常連で、通称「グラサン」と呼ばれていた。「朝鮮人がすべて悪い」「骨の髄まで中国の狗なんだな、お前ら朝鮮籍どもは」といったヘイトスピーチ的な言動で知られる存在だった。

 そんな彼が一転、このような謝罪に追い込まれたのは、「嫌儲」と呼ばれる人々を敵に回したことが原因だった。

「嫌儲」と書いて、「けんちょ」「けんもう」「いやもう」などと読む。ネットの書き込みで流通している用語なので、読みが統一されていない。

「嫌儲」とは、「儲けを嫌う」の意。具体的には、2ちゃんねるの書き込みなどを使って、商売にする行為を嫌うこと、また嫌う人々を指す。彼らの怒りを買った人々は、商売をやめざるを得なくなったり、ネット上で実名や住所を晒され非難の集中砲火を浴びせられた例もある。2ちゃんねるのなかでももっとも影響力の強い集団の一つだ。

「2ちゃんねるの中心ユーザーは30~40代とされていますが、嫌儲がどれだけの人数がいて、どういう素性なのかは全く分かっていない。それでも彼らが大きな影響力を持っているのは、徹底したリサーチに基づく、ずば抜けた“攻撃力”があるからです」(ウェブサイト管理人)

 目下、彼らにとって最大の敵となっているのが、2ちゃんねるの書き込みを転載した「まとめサイト」の管理人たちだ。

「まとめサイトには、アフィリエイト(成果報酬型広告)などの広告収入が管理人に入る仕組みになっている。2ちゃんねるの住人たちのなかには、かねて自分たちの書き込みがまとめサイトに勝手に転載され、管理人の儲けにつながることは許せないという考え方があった。

 その思想の最大の“過激派”が嫌儲で、彼らはまとめサイトの管理人潰しに動いた。今年に入ってから彼らが中心になり、まとめサイトの管理人の素性が特定され、次々に個人情報が晒され、10以上のまとめサイトが閉鎖される事態になったのです」(同前)

※週刊ポスト2014年3月28日号

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