『ぞうさん』や『しゃぼん玉』等童謡誕生に深い背景が存在

NEWSポストセブン / 2014年3月20日 11時0分

『ぞうさん』『やぎさんゆうびん』『ふしぎなポケット』などの作詞を手がけた、まど・みちおさんが2月28日、104才で亡くなった。まどさんの作品を含め、童謡の歌詞には深い意味やメッセージが隠されているものが多い。

 たとえば、『ぞうさん』誕生にあたっては、第二次世界大戦中、東京・上野動物園のライオンや熊、象といった動物たちが次々と殺処分される悲惨な現実があった。1945年に戦争は終わり、1949年にはインドのネール首相(当時)から、1頭のメスの象が上野動物園に贈られた。名前はインディラ。

『ぞうさん』の詞を書いたのがまど・みちおさん。そして曲を作った團伊玖磨は自伝で、〈インディラがやってきて、平和が再び訪れたと感じ、この作品を書いた〉と語っている。

 そして海を描いた童謡の『ウミ』だが、この歌が唱歌として教科書に載ったのは戦時中の1941年。当時の男の子の夢は“兵隊さん”。つまり、この歌は兵隊への憧れを描いている。ちなみに歌詞中に登場する「よその国」とは敵国。

『伝え残したい 童謡の謎 ベスト・セレクション』著者で、これまで200曲あまりの童謡の謎を解いてきた作家の合田道人さんが、その魅力を語る。

「作詞家の林柳波(りゅうは)は、“子供が海に憧れるような唱歌を作るように”と軍から注文されたという話を、柳波の娘さんから聞きました」(合田さん・以下同)

 また、はかなくも消えてゆくシャボン玉を描いた『しゃぼん玉』が発表された1922年ごろ、作詞をした野口雨情の娘、恒子は病気のため2才で亡くなっている。実はそれ以前にも彼は子供を亡くしている。

「1908年に生まれた長女・みどりはわずか8日の命。まさに歌詞の通り“生まれてすぐに、こわれて消えた”。数年前、雨情の三男である存彌さんからは、“父は子供が迷子になったり、ケガをすることをひどく恐れる人でした”というお話も聞けました」

 そして、故郷への郷愁を歌った『故郷(ふるさと)』唱歌として教科書に掲載されたのは1914年。今年でちょうど100年になる。この曲の故郷とはどこなのか。

「作曲者の岡野貞一の出身地は鳥取。岡野夫人は“主人は故郷の鳥取砂丘を思い浮かべながら作曲したと思われます”と」

 また、作詞家の高野辰之は長野の豊田村(現中野市)出身。

「“かの山”は辰之の生家の裏手にある大平山や大持山、“かの川”は近くを流れる斑川といわれています」

※女性セブン2014年4月3日号

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