福岡連続失踪事件 警察は容疑者宅近くの部屋で見張っていた

NEWSポストセブン / 2014年4月21日 16時0分

 福岡県筑後市で発覚した連続失踪事件は、数多の噂や憶測を呼び、全容解明に向け意気込む捜査関係者や詰めかけたマスコミを惑わせている。

 捜査関係者やマスコミ、さらには野次馬が群がり、上空には中継ヘリが轟音を鳴らしている。平素と異なる風景をみながら、近隣住民の一人がポツリと語る。

「今だからいえる話やけどなァ。あの家を見下ろせる隣のマンションの部屋を警察が借りて、ずっと見張っとったんよ。時期は昨年の10月頃からかなァ」

 住民の視線の先には一軒の豪邸があった。福岡県筑後市。福岡市内まで鉄道で30分という利便性もあり、県内有数のベッドタウンとして知られる。

 この静かな住宅街が騒然となったのは4月11日のことだった。

 その日、福岡県警は、リサイクルショップ経営者の中尾伸也(47)と妻の知佐(45)の両容疑者を逮捕。2007~2013年、両容疑者が知人名義のカードを用いて、消費者金融から数十万円の現金を引き出した疑いだった。知人は、カードは両容疑者が不正に作成したものだと証言しているという。

 だが、今回の逮捕は、昨年から現地で飛び交う疑惑を解明するための“別件逮捕”に過ぎない。昨秋から、両容疑者を“内偵”し、自宅だけでなく、そこから車で5分の距離にあるリサイクルショップまで家宅捜索した福岡県警の狙いは別にある。

 連日に及んだ家宅捜索で、捜査員はユンボを使い、邸宅の庭まで掘り返した。リサイクルショップの店内から、せわしなく証拠物とみられる段ボールを運び出している。その物々しさと外壁に彩られた漫画やアニメのキャラクターとが異様なコントラストを描いていた。

 捜査員が求めたのは、地元紙報道などで5人とも6人とも報じられている行方不明者の「痕跡」である。

 大手紙社会部記者はこう話す。

「以前から、地元ではリサイクルショップの従業員が失踪したという話が流れていました。伸也容疑者が従業員を激しく叱責する姿がたびたび目撃されたこともあったので、『行方不明者の失踪には伸也容疑者が関わっているに違いない』と、昨秋に警察に通報が入ったみたいです」

 失踪者に関して小誌取材班が現地で聞き込みをしただけでも、20代の従業員、同じく30代の従業員、さらにはかつて夫婦が住んでいた借家の大家など複数の不明者の名前があがってくる。

 店では、家電製品の中古品や、ディスカウントされた雑貨類が売られていたという。店頭には伸也容疑者やその両親と思しき男女が立ち、他に2~3人の従業員が勤務していたそうだ。

 地元住民によれば、「従業員の入れ替わりが激しく、絆創膏をつけた従業員が目撃されたこともあった」という。前出の大手紙社会部記者もこう語る。

「辞めようとした従業員が中尾夫妻から『お前は散々迷惑をかけたから』と言いがかりをつけられたことがあったそうです。その後、従業員は消費者金融に連れていかれ、数十万円を引き出させたということも県警は調べている」

 次々に湧き上がる疑惑の確認に捜査員も忙殺されている。

※週刊ポスト2014年5月2日号

NEWSポストセブン

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