中国富豪 高官と癒着で40代で塀の中送りの人多いとの調査

NEWSポストセブン / 2014年5月4日 7時0分

 中国で1999年から毎年、富豪ランキングを発表している民間研究機関である胡潤研究所によると、この15年間の長者番付に載った富豪2188人のうち、汚職などの犯罪案件で逮捕・入獄されたのは27人だった。中国では経済人と党・政府高官の癒着体質が強いだけに、政治的影響力が弱まった党政府高官と一蓮托生の経済人も塀の中に落ちるという構図が描けそうだ。

 裁判で有罪になった富豪27人の年齢は40~49歳の間で、平均年齢は46歳。判決は平均で懲役10年。罪状については汚職、知的財産権侵犯などでなっている。

 これについて、中国政府のシンクタンク、中国社会科学院の焚文・法学研究所副研究員は「これらの富豪はほぼ30歳で起業しており、40代は最も事業が順調に発展している時期。さらに、10年以上のキャリアもあり、自分の経営手腕を過信して、安易な事業展開を図り、つい賄賂などに頼ってしまう」と分析する。

 また、北京の中国共産党筋は「経済人は事業を有利にするため、事業の許認可の決定権をもつ党高官と癒着しやすい。このため、党幹部が政治的に失脚すると、芋づる式に経済人も逮捕されてしまうケースが多い」と指摘。逮捕された富豪27人は全体からみると、わずか1.2%であり、不正を働いたとしても、党高官の庇護の下、逮捕されないケースも多数存在していると同筋はみる。

 これは多くの企業が政府や党の高官を経験した引退幹部を社外取締役や執行役員として招いていることでも分かる。

 党機関紙「人民日報」(電子版)によると、中国で株価が高いベスト100企業のうち、分かっているだけで、41人も党政府機関の引退幹部が執行役員や外部招聘役員を務めている。

 例えば、中国石油最大手の中国石油化工(シノペック)の取締役として、中国証券業管理監督委員会の元理事長が迎えられているほか、交通銀行には中国の中央銀行、中国人民銀行の元副総裁など、地方の省政府の党委書記や省長のほか、財政省次官ら元高官がぞろぞろ。

 その収入も庶民からみれば法外で、最も高いのは香港特別行政区政府の元立法会(国会に相当)議長で、現在は中国石炭大手・中国神華の取締役の範徐麗泰氏で、年収45万元(約765万円)。ちなみに中国の都市部の労働者の平均年収は4万6769元(約79万5000円)とほぼ10倍。

 中国の「公務員法」では、政府幹部を務めた公務員が退職後3年間、元の職務と直接関連のある企業で仕事に就くことは禁じられている。腐敗撲滅に力を入れている習近平指導部は昨年10月、公務員法を一部改正し、企業の取締役を兼務している現職幹部は厳重に処罰するとの条文を付け加えたため、すでに60人以上の社外取締役の辞任が明らかになっている。

 中国の上場企業全体からみると、党政府の元高官出身の取締役は642人に上っており、全体の8.45%だ。

 これらの数字をみれば、中国では官民の癒着がいかに深刻かが分かろうというもの。中国共産党政権はかつての中国国民党政権の腐敗ぶりを激しく批判していたが、その共産党政権でも腐敗は進んでおり、腐敗体質は中国の歴代王朝に共通する課題といえそうだ。

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