香港大富豪・李嘉誠氏 中国国内の不動産全て売却の情報出る

NEWSポストセブン / 2014年5月16日 7時0分

 香港の大富豪で、長江実業集団の総帥である李嘉誠会長や、李氏の二男、李沢楷(リチャード・リー)氏が最近、中国国内の不動産物件をすべて売り抜けたという情報が飛び交っており、「いよいよ中国の不動産バブル崩壊か」との観測が急浮上している。

 今年第1四半期(1~3月)の中国の住宅販売額は昨年同期比7.7%減の1兆1100億元(約18兆円)に落ち込み、新規着工面積も同25%と大幅減で、中小の不動産会社が倒産したことも、一般投資家の懸念に輪をかけている。

 中国国営の新華社電によると、李沢楷氏の率いる香港の不動産会社、盈科大衍地産(PCPD)はこのほど、北京に保有していた複合施設「北京盈科中心(パシフィック・センチュリー・プレイス)」を香港のファンド、ガウキャピタルに72億1000万香港ドル(約950億円)で売却することを決めた。売却は今年8月下旬までに完了する見込みで、PCPDの利益は税込みで26億4600万香港(約344億円)ドルに上るとみられる。

 李嘉誠氏も昨年8月以来、広州や上海に所有していた少なくとも4つの大型物件を次々と手放しており、その合計売却額は約204億香港ドル(約2650億円)に達したもようだ。

 李氏親子以外に、北京と上海で不動産開発を手掛けるSOHO中国社も2月、8億3700万ドル(約850億円)で上海の商業ビル2つを売却した。

 李氏らの不動産売却の動きについて、米不動産投資会社MGIパシフィックの経営幹部のコリン・ボガー氏は米ウォールストリート・ジャーナル紙に「現在のところ、賢明な選択のように思われる」とコメントするなど、市場では「不動産バブルの崩壊も近い」との観測が流れている。

 中国の中央銀行、中国人民銀行によると、銀行の不動産関連融資残高は昨年末で14.6兆元(約246兆円)に上達しており、このうち9.3兆元(約157兆円)がバブル融資になる可能性がある。このすべてが焦げ付くわけではないが、日本のバブル崩壊の場合、銀行不良債権総額はバブル融資の9割の100兆円を超えていた。

 一方、中国国家統計局によると、不動産関連投資の資金総額は昨年1年間で12.2兆元(約206兆円)。このうち国内銀行の融資額は全体の16.1%と2兆元弱だが、不明額が全体の44%と5.4兆元(約103兆円)に上っている。銀行融資の2.5倍もの資金が不動産関連事業につぎ込まれている計算だ。

 この出所不明額はノンバンクなどが高利回りの理財商品として広く預金者や投資家から資金を集めた「シャドー・バンキング(影の銀行)」であるとみられる。2008年末からの5年間を合計すると、銀行融資のほぼ2倍に当たる総額20.9兆元に上る。この5年間の銀行融資の2倍以上の資金がシャドー・バンキングから不動産関連事業に流れていることになる。

 かりに、いま不動産バブルが崩壊すれば、この20.9兆元が不良債権化しかねず、さらに銀行などが不動産に投資した資金も回収不能になる可能性もある。これまで30年以上、1回も会社の業績が赤字に転落したことがないという李嘉誠氏の読みはあたるのだろうか。

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