町田樹の人生哲学「心を整えたいときは部屋を片付けます」

NEWSポストセブン / 2014年5月21日 16時0分

写真

「一流とはどういうことか」を読書から学ぶという町田樹選手

 ソチ五輪の昨シーズン、芸術性の高い演技と、個性豊かな語録で注目を集めたフィギュアスケートの町田樹選手。五輪には遠いと思われていた“第6の男”の位置から一気に駆け上がりソチ出場、続く初出場の世界選手権では銀メダルを獲得した。“結果を出す男”“言葉を持っている男”の哲学とは?

「競技も人生も、本にインスパイアされてきた」と語る町田選手に、本と、フィギュアと、町田樹の深い関係を聞いた。(後編:人生編)

* * *
■“一流”から学ぶ 本番で力を発揮する方法

 言葉を大事にするという町田選手は大の読書家である。『エデンの東』や『白夜行』など、愛読書からインスパイアされたプログラムを披露してきた。選手としての姿勢や生き方も、本から学ぶことが多いという。

「一流とはどういうことか、ということをよく考えます。僕はフィギュアスケーターとしても、人間としても一流になりたい。そのためにいろんな考え方や生き方を知りたくて本を読みます。

 たとえば『外科医 須磨久善』(海堂尊著)は折にふれて読み返す大切な本です。須磨先生は日本初の心臓難手術『バチスタ手術』を行った方。海堂さんは大、大、大好きな作家さんで、ほぼすべての本をハードカバーで持っている。須磨先生ご自身が書かれた『タッチ・ユア・ハート』ももちろん読みました」

 上記の本から学んだのは試合に臨む心構え、精神の落ち着かせ方。『チーム・バチスタの栄光』のモデルにもなった天才外科医の極意を、町田選手はどうやって自分のものにしていったのか。

「須磨先生は手術前に、あらゆる事態を想定すると書かれています。そうすると自ずと悲観的な考えになるのですが、悲観的なイメージを出し切ることで、次第にポジティブな方向へと変わっていくと。『手術前の扉に立つ瞬間には、絶対に成功するイメージをつかめるように流れをもっていく』と『外科医 須磨久善』にはあります。

 僕は以前は、試合前に、あの選手に勝つためにはジャンプの失敗は一回までとか、これくらいのスコア出さないと次につながらないとか、かなり考えていたんです。でも須磨先生の本を読んだこともあり、昨シーズンからは、練習と試合では“意識をスイッチ”するようにしました。

 練習では他選手を思い切り意識するし、スコアのことも緻密に考える。だけど、試合になったら一切忘れる。自信のあるプログラムを、心をこめてみなさまに届けることに一意専心する。練習の時はスポーツ選手だけど、試合では演技者として氷に立つようになりました。

NEWSポストセブン

トピックスRSS

ランキング