世界的にも難しい小型犬の心臓病治療 日本の犬の名医を紹介

NEWSポストセブン / 2014年5月27日 16時0分

 犬が長生きするようになるとともに、犬の「心臓病」が増えてきている。先天性のものと後天性のものがあるが、特に現在、後天性心疾患の代表格である「僧帽弁閉鎖不全症」が世界的に増えているという。一定年齢に達すると僧帽弁が悪くなることで、血液が逆流し、進行すると呼吸困難などになる。

 こうした犬の心臓病治療は、人間よりも心臓が小さいため、世界的に難しいとされてきたが、日本の一部の獣医師たちは、小型犬、老齢犬に対してさえ世界をリードする治療を行なっているという。循環器を専門とする獣医師たちが、自らを除いて「循環器分野で優秀と思われる」獣医師を選んだ結果、「犬の名医」たちの名が浮かび上がってきた。

「小型犬の心臓は卵ほどの大きさで、手術は難しいとされてきましたが、この僧帽弁閉鎖不全症の僧帽弁形成術を世界で初めて成功させました。また、先天性心疾患である動脈管開存症と肺動脈狭窄症の矯正手術も当院が日本で初めて成功させています」

 そう語るのは、『犬の名医さん100人データブック』(小学館)でも登場している愛知県名古屋市の『茶屋ヶ坂動物病院』の金本勇院長だ。金本氏は、「獣医療における心臓外科の草分け」として世界的に有名な獣医師で、新しい手術法の考案者でもある。その技術の秘密は、「海外論文の研究に加え、獣医療の先を行っていた人間の医療を学ぶために名古屋大学医学部で胸部外科を学んだこと」だという。今も全国の獣医師から相談と診療依頼が来るという。

 同じく愛知県岩倉市の『千村どうぶつ病院』の千村収院長は、犬の負担軽減ためカテーテル治療を実践している。

「心臓病治療の場合は、外科的に開胸する手術と、血管からカテーテルといわれる管を入れて治療するインターベンションがあります。このインターベンションの方が、小さな傷口で済み、痛みが少なく、費用も安いといえます。かつては体重3キロ未満の犬にはカテーテルを入れられないとされていましたが、現在は2キロ以上で行なうことができるようになってきました」

 千村氏と同様にカテーテル治療を行なっているのが、神奈川県相模原市の『麻布大学附属動物病院』の藤井洋子小動物診療部長だ。米国獣医内科学会心臓病専門医の資格も持つ藤井氏は、ほかの循環器獣医師からも「屈指の実力者」と認められている。

「初診時に、心臓の病気以外が疑われる場合や、ほかの内臓疾患が原発となって心臓が悪くなったと考えられる場合、必ずほかの専門家と相談して治療方針を決めます。そのため初診では2時間程度かかることもあります」

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