日本のビール税は独の20倍で米の12倍 高い根拠は屁理屈過ぎ

NEWSポストセブン / 2014年7月5日 16時0分

 この時の答弁では、「明治以後に入ってきた新しい酒」「西欧諸国では止渇飲料として水代わりに飲まれている側面もあるが、我が国では到酔飲料」という屁理屈も展開されている。いまやビールは「新しい酒」ではないし、しかも、到酔飲料というならウイスキーや清酒の方がアルコール度数が高いのに、税率(アルコール度数あたり)はビールより低い。「第3のビール」さえ度数あたりの税額を比較すると、ウイスキーなど蒸留酒の1.6倍、清酒の2倍である。

 お酒の税金については大まかに2つの考え方がある。まず一つは、お酒は健康を害するものだから、税金を掛けて値段を高くする、という考え方。この発想でいけば、アルコール度数の高いお酒ほど、税金は高くなるはずだ。二つ目は、お酒は嗜好品、つまり贅沢品なので税金を掛ける、という考え方。こちらの発想なら、高級酒、つまりよりお金持ちしか飲めないお酒の税金が高くなる。

 ところが、日本のビール税は、どちらでもない。いわば「庶民の酒で消費量が多く、税収を増やしやすいから高い税を取る」ということなのだ。

「ビール」に課される高い税率を避けるために開発されたのが、「発泡酒」(前出の酒税組合公表資料によれば税合計約34%)や「第3のビール」(同約25%)という日本独自のガラパゴス商品だ。国民の嗜好ではなく、酒税法による規制から生まれた。

 メーカーの企業努力で「発泡酒」や「第3のビール」の味はビールに近づいているとはいえ、原料の制約はいかんともしがたい。いわば酒税法の規制で国民はどんどん「おいしくない酒」を飲まされているに等しい。まさに、「下戸」(税金を払えない家庭)は酒を飲むなというようなものである。

 それなのに、かつての政府税制調査会長は第3のビールについて、「最近、ビール風のビールみたいなものが、まがいものといっては失礼かもしれないけれど、出てきている。酒の文化を損なっているのではないか」(2004年の会見)などと言っている。一体誰のせいで酒の文化を損なったのか。不合理な規制のためにメーカーはそのように強いられ、日本の国民は、「庶民の酒に高い税をかける」という役所の理不尽な政策のために、おいしいビールを味わう機会と酒の文化を損なわされているのだ。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング