FX会社のスプレッド競争再燃 逆転スプレッドの登場が契機か

NEWSポストセブン / 2014年7月23日 16時0分

 今、国内のFX(外国為替証拠金取引)業界にちょっとした異変が起きている。FX会社が個人投資家に提示する「スプレッド」の引き下げ競争が再燃しているのだ。再燃のきっかけとなったのが、昨年から登場し始めた、スプレッドの“逆転現象”。この逆転現象はFXの常識を打ち破るもので、1998年に個人向けFXがスタートして以来、初めての出来事だ。

 そもそも、スプレッドとは、FX取引をする通貨の買値(ask)と売値(bid)の「差」のこと。例えば、米ドル/円取引では、1ドルのレート(=価格)は「102円00銭(bid)-102円03銭(ask)」といった形式で表示される。この場合のスプレッドは3銭となり、それがそのままFX取引におけるコストとなる。

 通常、スプレッドはbidよりaskが高くなるが、個人投資家にとっては、スプレッドが狭いほど歓迎される。狭いほうが利益を出しやすくなるからだ。一方、FX会社にしてみれば、スプレッドを狭くすることには限界がある。現在、国内のほぼすべてのFX会社は、取引時の手数料を徴収していない。スプレッドは実質的な手数料にあたり、収益源となっているのである。

 だが、個人投資家がスプレッドの狭いFX会社を選ぶ傾向が強い以上、FX会社は競合他社に負けないスプレッドを提示する必要に迫られる。必然的に、FX会社間でのスプレッド競争が勃発する、というわけだ。
 
 あるFXアナリストによると、日本でFXがスタートした1998年当時のスプレッドの最低水準は10銭だった(米ドル/円の場合。以下同)。2006年頃から引き下げ競争が激化し、2008年には1銭というスプレッドが登場。その後、小数点以下のスプレッドが現れ、スプレッド引き下げ競争はいったん、0.3~0.4銭で落ち着くことになったという。

 そして、昨年後半についにbidがaskを上回る“逆転スプレッド”が登場した。それ以降、業界でのスプレッド引き下げ競争が再燃。有力FX会社が、一斉にスプレッド縮小の動きが出始めたのだ。現時点でマイナスのスプレッドを提供しているのは、セントラル短資FXと日産センチュリー証券の2社である。
 
 とはいえ、“逆転スプレッド”はいかにして実現したのか。実際に逆転スプレッドを提示している、日産センチュリー証券の商品企画部長・宮入義勝氏に聞いた。

「当社の『アクセスFX』は『NDD(ノー・ディーリング・デスク)方式』を採用しています。NDDとは、投資家からの注文を、FX会社にレートを提示するカバー先と呼ばれる金融機関や、インターバンク市場へ直接発注し、執行する方式です。FX会社のディーリングなどが介在しないため、“取引の透明性”と約定力が高くなります」

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