半数が外国人客 海外で人気高く土産に喜ばれる日本の職人技

NEWSポストセブン / 2014年7月26日 16時0分

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毎日の外国人相手の接客が一番の英語の勉強だという

 ホームステイ先へのお土産や外国人へのプレゼント、“何か日本的なものを”と考えると、意外と難しい。実用的なものとしては、近年、海外で日本の包丁の人気が高まっているが、その中で特に外国人に支持されている店、かまた刃研社を取材した。

「この店は祖父が、刃物研ぎから始めて今年で91年。私が3代目で、4代目の息子も一緒に働いています。海外では、代々長く続くファミリー企業への信頼や価値を大切にしているようで、『そんなに続いている店と出会えるとは、自分はなんてラッキーなんだ!』と喜ばれるヨーロッパのお客さんもいますね」そう語るのは、店主の鎌田晴一さん。

 浅草・かっぱ橋というロケーションもあり、来客の半数強が外国人と聞いてはいたが、記者が訪れた時は8割以上が欧米を中心とした外国人客。慣れた様子のスタッフたちが英語で接客する中、5000円から数万円の包丁が次々と売れてゆく。同店ではHPで英語表示も行なっているほか、英語での接客の様子を紹介した動画を掲載。YouTubeにもアップされているその動画を見て、訪れる外国人も多いという。

 みなさんなかなかの英語力だが、ほとんどのスタッフは独学だと聞いて驚く。
「接客で使う英語はある程度限られますし、毎日お客さんとやり取りするのが一番の練習です。その代り、英会話教室で教えてくれるような、世間話みたいな会話はできませんよ」と、鎌田さんは謙遜する。

「日本の包丁が海外で人気になったきっかけは、1995年イギリスの商品テスト・レビュー雑誌『Which?』で、日本の包丁の切れ味の良さが紹介されたことです。特に高品質な商品がテストに使われたわけではありませんが、日本の包丁は基本的に欧米で売られているものよりも、切れ味が良いんですよ。

 包丁の文化は料理の文化でもあります。日本では刺身を薄く切る、キャベツを千切りするなど、一般家庭でも繊細な作業をする料理文化があることが、日本の包丁が優れている理由のひとつに挙げられます。鋭い切れ味にするには刃を薄く仕上げる技術を要しますし、一方で薄く仕上げた刃には、欠けやすいというデメリットもあります。欧米のメーカーの場合は、どのような食文化を持つ人々が使用しても、欠けることのない仕上げに留めていますし、硬くて長期間切れ味が衰えない永切れすることよりも、研ぎやすい粘り――柔らかさを鋼に求める傾向があります。

 最近では和食がユネスコ無形文化遺産になって、海外での和食ブームがさらに盛り上がり、日本の料理人たちが海外へ進出する機会が増えました。そうした人たちは、こだわりの道具として使い慣れた包丁を持って行き、現地の料理人との交流の中で『ちょっと使わせてみて』などのやり取りから、プロの間で日本の包丁人気が高まり、それが一般の人にも波及しているようです」(鎌田さん)

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