事故で亡くなった主人待つ柴犬の飲酒運転撲滅CM 母が思い語る

NEWSポストセブン / 2014年8月21日 7時0分

 大好きだった人と歩いた道をひとり寂しげに辿る柴犬の「こゆき」。「大切な人が突然いなくなるという事、あなたは想像できますか?」というナレーションは、こゆきの気持ちを代弁したかのようだ。今、1匹の柴犬を主人公にした飲酒運転撲滅を訴えるCMが切なすぎると話題を呼んでいる。

 福岡県に住んでいるこゆき(メス、8才)。実は、3年前に飲酒運転によって大切な人を亡くしている。2011年2月、友人とともに歩道を歩いていた山本寛大くん(当時16才)は突然、猛スピードでやってきた乗用車に後ろからはねられ命を落とした。2人ともほぼ即死だったとみられている。運転手の男には懲役14年の実刑判決が下されたが、遺族の悲しみが癒えることはなかった。そしてそれは、こゆきにとっても同じだった。毎日遺影の前で涙を流す母・美也子さんの隣には、常にこゆきの姿があった。

「自宅に仏壇を置いて以来、こゆきが側を離れなくなったんです。私がお線香をあげて立ち上がると、“今度は私の番よ”と言わんばかりに仏前に座って、お線香がなくなるのを見ていたり、昼寝をしたり。はじめは座布団が好きなのかなと思ったのですが、座布団を移しても仏壇の前を離れない。家の中にいても外に出てもそわそわと落ち着きがなくて、まるで寛大の帰りを待っているかのようなんです」(美也子さん)

 こゆきは別れを告げることすらできず、最愛の人との仲を永遠に引き裂かれたのだ。

「犬だって大切な人を亡くしたら悲しいんです。人間だったらなおさらのこと。犯罪をやめようという言葉が広がっていけば、飲酒運転も危険ドラッグもなくなっていくと思うんです」(美也子さん)

 今日も仏前で寛大くんの帰りを待っているこゆき。私たちはもう、二度と同じ過ちを繰り返してはならない。

※女性セブン2014年9月4日号

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