原発推進派の大前研一氏「脱原発で現実的な策は30%の節電」

NEWSポストセブン / 2014年9月4日 16時0分

 太陽光や風力は稼働率が20%に満たないので、どちらもベースロード電源にはなりえない。しかも発電コストは原子力や火力に比べると2~4倍と高額だ。

 木屑や燃えるゴミなどが燃焼する際の熱を利用するバイオマス発電も、間伐材や食品残渣、家畜の糞尿などの燃料供給には限界があるので、やはり大規模で持続的な電源にはなりえない。

 さらに、エネルギー安全保障の観点からも、当面は原発で電力需要の3割程度を賄うことが必要だと思う。

 もはや日本で原発を新設することは不可能な状況だから、今ある原発の寿命がくるまでの話だが、日本のように原油や天然ガスが採れない国は、化石燃料の価格が高騰した場合や、有事で海外からの供給が断たれた場合を考えると、原発を維持することは国益に適う。

 それでも世論調査で原発を廃止すべきとの声が大きい現実は無視できない。

 日本人がどうしても原発は嫌だというなら(そうなるのも、なぜ福島第一原発事故が起きたか、どうすれば防げたのかについて政府が正しく反省して説明していないからだ)、原発を廃止するのも政治判断であり、それに私は反対ではない。

 ただし、廃止する時はきっぱりと一気に全廃すべきである。その時こそ政治も電力会社もごまかしをやめ、代償を国民にきちんと説明しなければならない。

 原発を代替するものがない以上、最も現実的な策は「30%の節電」だ。原発をなくした分だけ火力を増やすのではなく、国を挙げて原発依存度に匹敵する30%の節電に励むのである。国民が原子炉なき日本を選択し、それに伴う犠牲を厭わないのであれば、そうすべきだと思う。

 最初は苦労するかもしれないが不可能ではない。工業用・商業用のコンプレッサーやモーターの大幅な省電力化、すべての電球のLED化、住宅の断熱化などを国策として徹底的に推進すれば実現できる。

※週刊ポスト2014年9月12日号

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