社会保障の収支安定のため消費税率は20%必要とエコノミスト

NEWSポストセブン / 2014年10月14日 7時0分

 来年10月の消費税率の10%への再引き上げへの地ならしがされつつある。政府の増税判断には“有識者”が大きな影響力を持つ。安倍晋三首相は昨年、「8%」への引き上げを決断する前に「集中点検会合」を開いて日本経団連や全国銀行協会、連合などの団体トップや学者、エコノミストなど60人の“有識者”から意見を聞いた。その結果、76%にあたる44人が増税に賛成論を唱えた。

 その意見を“国民を代表する各界の論者の声”とアピールして、「8%」を決定した。 今回の10%への再増税判断にあたっても、安倍政権は再度、彼ら“有識者”から意見聴取する方針を表明している。

 日経新聞は、10月5日付朝刊で、意見聴取がまだ開かれていない段階で前回の“有識者”メンバーにアンケートを行ない、〈「予定通り再増税」6割〉と増税を後押しする記事を出した。

 日経の取材に回答したのは、集中点検会合メンバー60人のうち43人。内訳は税率10%への引き上げ「賛成」が26人、「反対」9人、「どちらともいえない」8人、「未回答」17人だ。よって、前述の日経の記事の「6割」は「未回答」を除く6割を意味する。60人全員を分母にすると「賛成」は43%となる。

 本誌は独自に「賛成」と答えた人物を中心に意見を聞いた(※注)。

【※注】経団連など昨年の調査後にトップが交代した団体については新トップに質問した。

 予想通り、増税必要派の多くが挙げた理由が、「社会保障のため」というものだった。それが一番国民に受け入れられる理由だろうが、現実は安倍首相が臨時国会の冒頭で海江田万里・民主党代表の質問に答弁した通り、社会保障に使われるのは増収分2割程度にとどまる。それを踏まえて財界と労組のトップ2人の意見を聞こう。

「社会保障費が毎年1兆円ずつ増えている中では(消費税率を)引き上げて財政の安定化を図らなければ持続性が損なわれる」(長谷川閑史・経済同友会代表幹事)

「社会保障の充実・安定、そのための財政健全化に向けて、国の将来にとって不可欠である」(逢見直人・UAゼンセン会長)

 アール・ビー・エス証券東京支店チーフエコノミストの西岡純子氏は、「社会保障関連の収支を安定させるには10%では不十分です。時間はかかると思いますが、20%まで引き上げねばならないと考えています」と再々増税を主張する。政府の役人と全く同じ言い方だ。

 では8%への増税が消費低迷と景気悪化を招いた事実をどう見ているのか。賛成派の土居丈朗・慶応大学経済学部教授はこう持論を展開する。

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