シャープが復活期す「お喋り家電」 コスト削減にも寄与する

NEWSポストセブン / 2014年11月8日 7時0分

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「ともだち家電」を謡うシャープ製品のしゃべる化(CEATEC)

<7時50分です。そろそろお出掛けですか? 麻里子さん。今日は傘を持っていったら笑われちゃうぐらい、良いお天気ですよ!>

<お帰りなさいませ、9時20分です。今日は8200歩歩きました。麻里子さん、今日はいいことありましたか?>

 これは、11月6日よりシャープが展開しているウェブプロモーションの一部。元AKB48の篠田麻里子さんが同社の「お喋り機能(emopa=エモパー)」を搭載した新型スマホ(11月中旬発売予定のAQUOS)の利用シーンを紹介したものだ。

 近年、経営不振に喘いできたシャープだが、人工知能(AI)を搭載したユニークな“喋る家電”の開発で他社製品との差別化を図ってきた。

 電気コードがからまったり、部屋の溝にはまったりすると「助けて!」と音声で知らせるロボット掃除機。洗剤の量を間違えると「たくさん入れても汚れ落ちは変わりませんよ」と教えるドラム式洗濯機。室内の温度が変化すると「お部屋がとても暑くなりました。冷房運転を始めます」としゃべるエアコン……。

 人によっては家電の喋る機能は「鬱陶しいだけ」と思う人もいるだろうが、意外にもユーザーからは好評なのだという。IT・家電ジャーナリストの安蔵靖志氏がいう。

「例えば、オーブンレンジはこれまでの機種だったら調理終わりのときだけ『ピーピー』と無機質な電子音で知らせるだけでしたが、シャープのレンジは『もうすぐ出来上がりますよ』と音声で伝えてくれるので分かりやすい。次のメニューを準備することができ、時間のムダも省けます」

 シャープはこうした「お喋り家電」同士をクラウドで繋ぎ、さらに利便性を高める方針だ。

 10月に開かれた家電・IT見本市の「CEATEC」では、例えば、冷蔵庫が別の部屋にある洗濯機の動作状況をセンサーで察知して、「そろそろ洗濯が終わりますよ」と伝えるデモンストレーションなどが公開された。

 家電とのコミュニケーションにより、生活がますます便利になる時代――。お喋り家電の普及はメーカー側にとっても売り上げ以上のメリットが見込めると指摘するのは、前出の安蔵氏。

「これからはシニアを意識した家電づくりが大切。機能を詰め込むだけ詰め込んで操作方法が難解では意味がありません。いくら分厚いマニュアル本を作成しても、誰も読みませんしね。結局、カスタマーセンターのコストがかさむだけです。

 そこで、何か製品にトラブルが起きたとき、製品自体に音声ガイダンスが充実していれば、問い合わせを未然に防ぐこともできますし、顧客満足にもつながるので一石二鳥です」(安蔵氏)

 シャープは2014年9月中間決算にて純利益47億円を計上し、じつに4年ぶりの黒字となった。ソニーをはじめ、国内の家電メーカーを取り巻く環境は依然厳しいことに変わりないが、「お喋り家電」など日本独自の付加価値を磨いていけば、将来も明るいはずだ。

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