プロ報道カメラマン 人物、風景、花や昆虫撮影のコツを伝授

NEWSポストセブン / 2014年11月27日 16時0分

写真

初心者でもプロ顔負けの写真を撮れるようになった

 採光や絞りなどの技術を駆使しながら集中して一瞬を切り取り、撮影後は暗室に籠もって美しい色合いを出す──本格的なカメラ撮影は熟練の技を必要とし、同時に多額の費用と時間がかかる「職人の仕事」だった。

 だが、技術の進歩とともに初心者でもプロ顔負けの写真を撮れるようになった。可愛い孫の成長、長年連れ添った妻との旅行、そんな記録を有名カメラマンになった気分でシャッターを押すカメラは、人気の趣味となっている。

 最近はコンパクトデジカメやスマホでも画素数や性能が向上している。写真の世界は以前よりもぐっと身近になった。

 しかしどうせ撮るならカメラ任せではなく、自らの腕で周りをあっといわせる写真を撮ってみたい。本誌グラビアで活躍するプロの報道カメラマン・渡辺利博氏が、これから写真を志す中高年に、初心者でも上手に撮影できるコツを伝授する。

 なんといってもカメラの醍醐味は状況によってレンズを換え、様々なテクニックを駆使する一眼レフにある。渡辺氏が語る。

「一眼レフは標準ズームで美しい写真が撮れます。さらに人物の背景をぼかすための望遠や広がりのある風景を写すための広角レンズを買い足していけば、“絵”のバリエーションが増えて楽しみが広がります」

 実際の撮影のコツを被写体別に紹介する。まず、人物撮影では、光の具合と背景を考えて撮影場所を決める。

「例えば女性を撮影するときは逆光気味で撮ると写真が柔らかくなります」

 孫を撮りたいという人も多いだろう。

「最初から1枚勝負で、いい写真を撮ってやろうと思わないことです。デジタルカメラなら、フィルム代や現像代を気にしなくてもいい。動き回りやすい子供の場合、光を気にするよりも良い表情だと思う瞬間に連続撮影する。後でその中から気に入った1枚が選べます」

 運動会など動きのある撮影はどうか。どうしてもゴールの瞬間を正面から撮りたくなってしまうが、あえてそこを外す。

「足の遅いお子さんもいるでしょうから、スタート直後、他の子と引き離されていない競い合った表情や場面を横から狙うほうが、良い表情や迫力ある写真になる。また、運動会は撮影場所の制約があるケースも多いので、200~300ミリの望遠レンズが欲しいところです」

 続いて風景写真。ポイントは朝夕を狙うことだ。

「光と影の陰影がはっきりしやすいので、被写体の立体感が増してドラマチックな写真に仕上がります。その際は三脚を使用すればブレが少なく、写真のクオリティが高まります」

 花や昆虫を接写したい人にはマクロレンズ(被写体を2分の1倍から等倍で撮れるレンズ)は必需品だ。

「マクロレンズを使えば、より被写体に迫った大迫力のある撮影が可能になります。近接撮影ほどピントを合わせる範囲が狭くなるのでカメラを三脚に固定した方がぐっと楽に撮影できます。入門機といえどカメラ機材は安いものではないので、自分が何を撮影したいのかを考えて、その都度、必要な機材を買い足せばいいでしょう」

 家電量販店やカメラメーカーなどでは、初心者向けのコンテストを幅広く開催している。目標にしてもいいだろう。

イラスト●スズキサトル

※週刊ポスト2014年12月5日号

NEWSポストセブン

トピックスRSS

ランキング