山や河原の自然石を愛でる人たちの専門誌 その魅力とは?

NEWSポストセブン / 2015年1月5日 16時0分

 知られざる業界紙や専門誌の世界――今回は「充実した人生を送るための趣味の本」がキャッチコピーの“石”の専門誌『愛石』をご紹介する。

『愛石』(愛石社)
創刊:1982年
月刊誌:毎月15日発売
発行部数:1000部
読者層:50~90才の、盆栽を愛する男性を中心とした、山や河原の自然石を愛でる人たち。
定価:1,400円
購入方法:書店には置いていないため直接発行元『愛石社』に注文

『なんでも鑑定団』(テレビ東京系)に出品された“河原で拾った石”に150万円の値がついたことがある。

「あの山水石は、山と湖と入江が最も理想的な形をしていましたね」

『愛石』の主宰者、立畑健児さん(66才)はそう語る。

 室内で観賞する石を水石といって、台座や水盤に据えて観賞する風雅な趣味が、盆栽と並んで、室町時代にはすでに確立していたそうだ。

 河原に石を探しに行くのは「探石」で、その仲間は「石友」。石は拾う、ではなく「揚げる」と、独自の“石語”がある。

「日本中で“探石”の大ブームが起きたのは昭和35年から40年にかけて。1000万円で買い取られた石があったそうです。戦前では家一軒と、豊臣秀吉の時代は城と交換した殿様もいたそうですよ」

 立畑編集長の言葉に思わず身を乗り出すと、「いやいや、今は20万円の値段がつけば大したものですよ。多くは数万円。1000円のものも、値がつかない石もあります」とのこと。

 とはいえ、取引値の多寡にかかわらず、愛好の士たちは、今の時代も健在だ。同誌読者のほとんどは、地域の同好会に所属し、駅ビルやホテルなどで開かれる展示会に自慢の一品を持ち寄って展示観賞する。そこに興味深そうに眺めている来訪者がいたら、会に勧誘する。講師を呼んだ勉強会もある。こうした会が全国で約400あるという。

 そんな石好きが最も張り切るのが「探石」だ。もっとも、誰でも行けるところに、価値ある石が転がっているほどこの世界は甘くない。

 連載記事の「ジプシードライブ探石旅行」や「続 石は友達」に、その苦労が余すところなく記されている。

 たとえば11月号で、新潟の男性はこう綴る。「小生は…山蛭に取りつかれて往生した。以前、このあたりでアブの集団にしつこく追いかけられ、手で振り払いながら逃げ回った記憶がある。…マムシにも要注意だ」。

 12月号「厳冬期の愛知川探石」の投稿には、過酷さとそれをしのぐ情熱があふれる。

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