女性露出アーティスト「人前でのパフォーマンスは緊張します」

NEWSポストセブン / 2015年1月6日 16時0分

「人前で股を開くのは、やはり緊張します。以前から女性器露出のパフォーマンスを行なってきましたが、世界中のメディアに取り上げられたのはあれが初めてでした」

 昨年暮れの某夜。パリのレストランで、美女は語り始めた。

 両肩を鎖骨まで露出させたブルーのワンピースに身を包む彼女こそ、昨年5月29日にオルセー美術館で女性器露出パフォーマンスを敢行し、世界を驚かせたアーティストのデボラ・ドゥ・ロベルティス。フランスとドイツに挟まれたベネルクス地方の小国ルクセンブルク出身の30歳だ。 彼女が続ける。

「19世紀の名画をコレクションした世界的な美術館でのパフォーマンスは私にとって大きな挑戦でした。警察に連行され、さまざまな批評を受けましたが、多くを学ぶことができました。自分の行為にはまったく後悔していません」

 彼女の当日のパフォーマンスはインターネット上の動画で今も閲覧できる。動画と本人の証言をもとに、当日の様子を再現する。

 パリのオルセー美術館20番ホール。掲げられた名画の数々を、何人かの来場者が静かに鑑賞している。そこに、髪をアップにしたデボラがゆっくりと歩いて現われた。顔には、金色の涙が流れるようなメイクを施してある。黒いコートを脱いだ彼女は、まぶしく輝くゴールドのドレス姿。靴は履いていない。

 迷う様子もなく一枚の絵の前に進んだ。女性の下半身のヌードが描かれた世界的に知られる絵だ。彼女は絵を背にして腰を下ろすと、来場者たちに向けて両脚を大きく広げた。下着を着けておらず、局部が露わになる。そればかりか、彼女は見せつけるように両手で女性器を広げてみせた。

 来場者たちが絵画を現実化したような生身のパフォーマンスに驚いたのはいうまでもない。たちまち人垣ができ上がった。女性スタッフが駆け寄り、性器が来場者の目に触れないように立つが、デボラは平然として同じポーズを崩さない。静寂に包まれていた館内は騒然となった。

 警備員が数人がかりで彼女を説得し、見物人を排除する。だが、あちこちからデボラを賞賛する拍手が起こり、「ブラボー!」の声も上がる。最初は心なしか緊張した表情だったのに思わぬ声援に力を得たのか、彼女は悠然と微笑んだまま性器を見せ続けた。

 約5分後、とうとう警察官が現われて彼女を連行した。彼女の背中には、さらに大きな拍手が送られたのだった──。

 フランスにも日本と同様、「公然わいせつ罪」がある。フランス刑法第222-32条には「公衆が立ち入ることのできる場で、他者の面前で性器露出を行なった場合、1年の懲役と1万5000ユーロの罰金を科す」とある。

 警察官は当初、「あなたの行為は性器の露出にすぎない」と追及し、デボラを撮影していた来場客には「写真や映像をインターネットにアップしてはいけない」と注意した。

 しかし、4時間の取り調べの末、デボラは無罪放免となった。そしてこう語った。

「私は5人の警察官を相手に『私の行為はあくまでアートパフォーマンスだ』と訴えました。粘り強い説明の結果、警察官が私の芸術を認めてくれたのです」

※週刊ポスト2015年1月16・23日号

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