角居勝彦調教師 自身の厩舎が短距離で活躍できぬ理由

NEWSポストセブン / 2016年4月3日 7時0分

 もうすぐ1200メートルで競う電撃の6ハロンのひとつ高松宮記念。そこには、春のスプリント王をねらうスピード自慢が結集する。数々の名馬を世に送り出した調教師・角居勝彦氏による週刊ポストの連載「競馬はもっともっと面白い 感性の法則」より、角居厩舎がこの「電撃の6ハロン」に一頭も出していない理由を明かす。

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 角居厩舎は開業以来、高松宮記念のみならず秋のスプリンターズステークスにも一頭も出していません。最近では重賞どころか、未勝利戦にいたるまで1200メートル以下の競走にはほぼ出走させていない。

 スプリンターとマイラー以上では育て方が違います。1200メートルは、短いなりに独特のタメを作れるものの、スタートからゴールまで一本調子でも勝てる。一方、マイル以上では、じわっとしたタメを作らなければ決して勝てない。調教法がガラリと変わってくるのです。

 たとえば、サクラバクシンオー産駒であれば、「スタートから押してスピードに乗る」という作り方。すると、そのための従業員教育も必要です。サクラバクシンオーの血統は日本の宝だと思いますが、ウチの場合はクラシックを目指す中長距離が基本で、その特徴と血統を持った馬を預からせてもらいますし、中長距離のための調教が基本です。実績を挙げるなどして「角居は中長距離が得意」と色が付けば、ますますその傾向が強くなる。

 逆に短距離血統の馬は、その距離で結果を出している舎に預けられることになる。自然と、短距離が得意な馬とは縁遠くなってしまう。

 もし100馬房くらいの規模があり、相応のスタッフをえられればぜひやってみたいのですが、日本の厩舎事情では、そうはいきません。

「マイルで結果が出ない馬は、1400、1200を使ってみればいい」

 そんな声もありますが、そういう切り替えは考えない(できない)わけです。

 しかし厩舎のスタート時には、1400メートルの思い出深いレースがあります。角居厩舎開業は2001年3月。スカイアンドリュウがすぐに初勝利をもたらしてくれました。3月24日の阪神1600メートルの山陽特別(当時は900万以下)。私の誕生日(28日)の直前でもあり、感慨もひとしおでした。このときの騎乗は和田竜二。私の干支は辰、そして馬名にある「リュウ」。ちょっとした因縁かもしれません。

 その後、4月末の朱雀Sを勝ってオープン入り、安田記念の前哨戦といわれるGII京王杯SC(東京・1400メートル)を迎えます。

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