成功する2世、ヒントは「才能を社会のために」との使命感

NEWSポストセブン / 2016年12月19日 11時0分

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香川照之など役者の世界に「2世」が多い理由

 芸能界、とくに役者の世界には「2世」が多い。歌舞伎などの伝統芸能はそもそもが世襲。数百年にもわたって脈々と「芸」が受け継がれてきた。

 子供はその「家」に生まれた瞬間から、将来は名跡を継ぐことが運命づけられ、幼い頃から稽古をつけられる。そうした環境のなかで育てば芸が磨かれるのは当然で、「遺伝」が役者としての才能を決めるかどうかを見極めるのは難しい。

 だが、一方には三國連太郎と佐藤浩市(56才)や、市川猿翁と香川照之(51才)のように事情があって親子が別々に暮らしてきたケースもある。

 佐藤は三國の3番目の妻の長男として生まれたが、小学6年の時に両親が離婚。佐藤は三國と離れて暮らし、佐藤が役者の道を志すことを決めてからも、三國は息子を手助けすることは一切なく、佐藤は自らオーディションを受けて回り、徐々に頭角を現した。

 市川猿翁は猿之助だった1965年2月に女優・浜木綿子と結婚、同年12月に香川が誕生した。ところが結婚から2年もしないうちに猿之助は家を飛び出し、後に妻となる日本舞踊藤間流紫派家元・藤間紫さんのもとへ。以来、香川は、成人するまで父親と会うことがなかった。

 しかし、2003年に親子は和解。香川は歌舞伎界に入り、9代目市川中車を襲名した。

「役者としての香川はまさに天才だが、決まり事や幼い頃からの訓練が必要な歌舞伎の演技では苦戦しているようだ」(歌舞伎関係者)

 という評価もあるが、香川が役者としての才能に恵まれていることはたしかだろう。役者としての能力はさまざまで、一概にはいえないが、役柄や物語の世界観を理解するための「論理的推論能力」は68%が遺伝し、舞台の上で自分がどう動いているかを把握するための「空間認識」も70%が遺伝の影響を受けるという。

 一方で、台詞を覚える「記憶」の能力の遺伝は56%。どれだけ暗記のトレーニングをするかなどの環境が44%と大きく左右するので、遺伝が強いとはあまりいえない。

 音楽家や役者、スポーツマンの子供として生まれても、大成しない人は山のようにいる。「遺伝」は成功の一要素にしかすぎない。

 そんな中で、音楽一家として活躍しているのが服部一族。初代・服部良一は「昭和歌謡の父」と呼ばれる稀代の作曲家。2代目・服部克久(80才)も『ザ・ベストテン』のテーマ曲などを手がけた、昭和を代表する作・編曲家。

 3代目は当代きっての人気作曲家・服部隆之(51才)。映画『HERO』、ドラマ『半沢直樹』(TBS系)、NHK大河ドラマ『真田丸』などを手がけた売れっ子だ。さらにスゴいのが弱冠17才の4代目の服部百音。5才でバイオリンを始めた彼女は、数々の世界的コンクールで優勝。10代にして全国でコンサート活動を続けている。

 服部一族はなぜ音楽の世界で代々、活躍できているのか。2代目・克久はBS朝日『ザ・ドキュメンタリー「昭和歌謡の父 服部良一」』(12月8日放送)でこう語っている。

「免状があるわけではない。秘伝のタレがあるわけではない。のれんがあるわけではない。(家柄から)逃れられないなら“親の七光り”で結構じゃないか。服部という一本の木のなかで、日本の商業音楽の底上げをいつも考えてやっていきたい」

 与えられた才能を社会のために――その使命感が「2世」の成功のヒントなのだろうか。

※女性セブン2017年1月1日号

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