加熱式たばこIQOSのヒット、「乗り換えマーケ」のヒントに

NEWSポストセブン / 2017年3月5日 7時0分

写真

小池蘭氏(左)と水越徹氏(右)

 愛煙家の肩身がどんどん狭くなるなか、予約が殺到し、品薄状態になっているのが加熱式たばこの「IQOS(アイコス)」だ(以下「アイコス」)。火も使わず、灰も出ず、煙も出ないこのたばこの正体はいったい何なのか? 作家の山下柚実氏がレポートする。

 * * *
 2020年の東京五輪と言えば、巨額な費用にばかり目がいくが、実は国際オリンピック委員会と世界保健機関(WHO)が日本に強く求めていることがある。「たばこのない五輪」だ。その風圧に押されるように、今国会に受動喫煙防止対策強化法案が出される見込み。成立すれば、飲食店等が全面禁煙になるかもしれないと議論を呼んでいる。

 ますます肩身が狭い愛煙家。世界のたばこ市場規模は2014年の8000億ドルを頂点に、右肩下がり。喫煙率を見ればもっとリアルに市場の「縮小」が実感できる。昭和40年の男性喫煙率は実に82.3%。それが今や30%を切った。

 苦境にあえぐたばこ業界に、大ヒットが生まれたとすれば注目を集めないはずがない。2016年4月、フィリップ・モリスの「アイコス」が全国販売をスタートすると、たちまち300万台突破(2016年12月)。予約は殺到し、今も品薄状態が続いている。

 新商品が0.5%のシェアをとればヒットと言われるたばこ業界において、アイコス専用たばこはなんと7%(全国、2016年12月最終週)のシェアをゲット。そんなお化けたばこの正体とはいったい何なのか?

◆白く漂うものは煙ではなく水蒸気

 アイコスを吸っている人の口元を見ると、ふわりと白い霧のようなものが漂っている。かすかな、コーヒーを焙煎した時のような匂いも。しかし、一瞬で消えていく。「煙ではありません」とフィリップ・モリス・ジャパン合同会社の水越徹氏(40)。

「煙は燃焼した時に出るものですが、アイコスは葉を燃やさずに、加熱しています。火を使わないので灰も煙も出ませんし、紙巻たばこに比べて匂いも少なく残りにくいのが特徴です」

 英語で「たばこを吸う」は「Smoke」。だが、アイコスの場合は、「Vape」(=蒸気を吸う)と表現するらしい。いったいどんなメカニズムなのか?

「簡単に言うと、たばこ葉を加熱し葉に含まれる成分が水蒸気となったものを吸うわけです。加熱ブレードは金とプラチナ素材でできていて、ホルダーにはコンピュータチップが入っています。300度、つまり燃焼する温度には決して達しないよう、正確にコントロールしています」

NEWSポストセブン

トピックスRSS

ランキング