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筒井康隆氏「役者はやりたい。『銀嶺の果て』なら主役やる」

NEWSポストセブン / 2017年3月23日 7時0分

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作家・筒井康隆氏(82)がこれからやりたいことは

 日本で「死に方」の議論が過熱している。これまでタブー視されてきた「安楽死」の“解禁論”も叫ばれ始めた。作家・筒井康隆氏(82)が、月刊誌『SAPIO』(小学館刊)に寄稿した論考「日本でも早く安楽死法を通してもらうしかない」(2017年2月号)も大きな反響を呼んだ。この論考に注目した、日本尊厳死協会副理事長の長尾和宏医師(58)と、終末期医療と尊厳死、安楽死を巡る二人の対談が実現した。

長尾:しかし、世の80代と比べると、筒井さんは本当にお元気ですよね。何か健康法があるんですか?

筒井:昔は、「スポーツは何をやってました?」って聞かれたら、パチンコって答えていました。

長尾:脳と手の運動(笑い)。

筒井:80歳の頃に足首を痛めて、医者に「筋肉量が減っているから筋トレをしろ」といわれて、筋トレの方法を教えてもらったんですが、つまらないからやらないの。それで痛いの我慢していたら治っちゃった。

長尾:治ったんですか。

筒井:うん。トレーニングって退屈でしょう。むしろ、身体に一番悪いのはストレスだと思うんですよ。先日、東大で講演したんですが、東大のキャンパスは全面禁煙で、どこかに喫煙所が1か所あるらしいんだけど、講演場所から遠い。だから、しょうがないので、舞台の上で吸ったんだよ。吸わないと死にますって。みんな大笑いで、誰か止めるかなと思ったら、誰も止めない。

長尾:筒井先生を止められる人はいませんね。

筒井:あと、長篇はもう書かないけど、役者はやりたいですね。ホリプロ所属なんだけど、たまに回ってくるのはギャングの親玉とか、文壇の重鎮とか、そんな役ばっかりでつまらないんだ。だから、『銀齢の果て』(国が老人に殺し合いをさせる筒井氏の小説)が映画化されたら、私が主役をやる(笑い)。それから、『世界はゴ冗談』という短篇集に入っている「ペニスに命中」という短篇を映画化してほしい。これは認知症の老人が交番で銃を盗んでぶっ放しまくるといったドタバタを描いた作品で、これの主役ならできる。

長尾:まだまだお元気でいらっしゃいますからね。

筒井:今日、在宅医療のことを伺うまでは、「安楽死が法制化されないならば」と、自殺にも、自殺幇助にも見えなくて、生命保険が下りる死に方を一つだけ考えていたんです。なかなか見事な方法ですよ。

長尾:教えてください。

筒井:みんな真似しちゃうからやっぱり言いません(笑い)。でも、在宅医がいれば、その必要もなさそうですね。

長尾:最後に、現実的な選択肢として、死ぬ場所は病院か施設か家か、3つしかありません。どこを希望されますか?

筒井:病院だと家族もかわいそうだし、家でしょうね。もう、医者をあげて、芸者をあげて、酒を飲んで、タバコ吸って。そんなふうに死にたいですね。

長尾:ラテン系の作家らしく、どんちゃん騒ぎしながらね。お看取りに参ります。

筒井:長尾先生がお元気なら、35年後に連絡するかも知れません。

※週刊ポスト2017年3月24・31日号

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