破竹の勢い小池知事 豊洲劇場が最大のリスクになるか

NEWSポストセブン / 2017年3月20日 7時0分

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小池都知事にとって豊洲移転問題は両刃の剣か

 破竹の勢いの小池百合子・東京都知事に死角はないのか。意外にも、小池人気を決定づけた“豊洲劇場”が最大のリスクになりかねないとの声が上がっている。発端は2月28日、築地市場の敷地の「土地利用の履歴等調査届出書」を東京都が公表したことだった。都政記者が語る。

「臨海部と都心を結ぶ環状2号線の工事にあたる都の建設局が、ルート上で工事対象になる築地の土地の歴史について調べたものです。これによると築地は戦後の10年間、進駐軍に接収された。洗濯工場が建てられ『ソンベルト』と呼ばれる有機溶剤が大量に使われたようで、『築地には土壌汚染が残っているおそれがある』と指摘しています」

 この日、築地の安全性について問われた小池氏は、「築地はコンクリートなどでカバーされ、基本的に汚染の問題はない。豊洲と同じ観点で見るわけにはいかない」と答えた。

 その豊洲では、高濃度の有害物質の検出を受け、再調査が行なわれている。結果は3月中に公表予定で、小池氏は結果次第で豊洲への移転白紙化も視野に入れている。だから、築地の汚染を「豊洲と同じ観点で見るわけにはいかない」のだ。

 しかしこの発言に、移転を推進する都議会自民党や市場関係者から「小池氏は矛盾している」と疑問が噴出した。というのも、豊洲の建物1階の床は、35~45cmの厚いコンクリートで覆われているのである。

 このことは専門家には周知の事実で、再調査にあたる専門家会議座長の平田健正・放送大学和歌山学習センター所長も、地上部が覆われていることを理由に「たとえ地下の有害物質が揮発しても地上部は安全」と述べてきた。それでも小池氏は「安心・安全は譲れない」と厳しい目を向けてきた経緯がある。政治評論家の有馬晴海氏も首を傾げる。

「コンクリで覆われていれば安全という理屈ならば、豊洲も安全となって従来の姿勢と矛盾します。今回の発言にダブルスタンダードではないかという批判が出るのは当然でしょう」

 橋下徹・前大阪市長もさっそく、「小池さん、築地が安全なら豊洲だって安全でしょ!」と疑問を投げかけている(プレジデント・オンライン)。

 築地のリスクについては、本誌・週刊ポストは独自取材に基づいて何度も指摘してきた。築地の活魚水槽に大量に使われる「ろ過海水」からは2015年に基準の1.6倍の発がん性物質が検出されているし(本誌2016年11月18日号)、ドブネズミの尿による感染症が2年で4件も発生している事実も指摘した(同12月9日号)。飲みも触りもしない豊洲の「地下水」と比べれば、築地では食べ物により近い「地上」で汚染が検出されているのだ。

 さらに東京都はこの3月、2013年に行なった築地の土壌調査で、環境基準の2.4倍のヒ素や1.6倍のフッ化物が検出されたことを明らかにした。今後、さらに築地の汚染が明らかになれば、“豊洲劇場”は“築地劇場”に変わり、小池氏にとって危険な“劇薬”に転じるかもしれない。

※週刊ポスト2017年3月24・31日号

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