新・坊主丸儲けシステム「ビル型納骨堂」は完売で100億円も

NEWSポストセブン / 2017年6月19日 7時0分

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最寄り駅徒歩3分、都心の一等地に建つビル型納骨堂

 宗教法人は宗教行為に関わることであれば、法人税をはじめ、固定資産税などが非課税になる。しかし、どこからどこまでが宗教行為か線引きは難しく、常に税務当局とのバトルが起きる。そんな中、寺院界隈で新たな「坊主丸儲け」ブームが到来している。季刊『宗教問題』編集長の小川寛大氏がレポートする。

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 いま、お寺業界から熱い注目を浴びる、「ビル型納骨堂」というものがある。その名の通り、巨大なビルの中に骨壺をビッシリと詰め込んだ大規模納骨堂である。

 昨年5月、“ビル型納骨堂ブーム“に沸くお寺業界を震撼させる判決が、東京地裁で出された。東京・赤坂でビル型納骨堂「赤坂浄苑」を運営する寺院・伝燈院が、東京都から「建物が本来の宗教目的で専ら使用されていない」として固定資産税などの支払いを求められ、それに反発した寺側が取消しを求めて裁判所に訴えていたのだが、東京地裁は都の主張を支持。寺の敗訴となったのである(寺は控訴せず判決確定)。

 2013年にできた赤坂浄苑は地上5階建てのビルに約3700基を収容可能で、都心ビル型納骨堂の先駆的な存在。日常の販売業務は納骨堂の受託販売で近年名を上げている株式会社はせがわ(「お仏壇のはせがわ」)が担っていた。

 経営母体の伝燈院は曹洞宗だが赤坂浄苑は「宗派不問」を謳っており、他宗派の僧侶が入り込んで法要を行うなどの姿が日常的にあったという。

 また伝燈院自体は石川県にある寺で、赤坂へ進出する際に資金調達などもはせがわが協力していた。「副住職が常駐して日常的に座禅教室を開くなど、宗教的にはきちんとしていた」とする関係者の声もあるが、「宗教法人の名義貸しによる、単なるビジネス」との見方も当然あろう。実際、東京地裁は赤坂浄苑の5階本堂や1階寺務所部分以外で、他宗派の供養が実施されていると認定。それが非課税となる「宗教法人が専らその本来の用に供する(中略)境内建物及び境内地」にはあたらないとし、課税を是とした。

 これは赤坂浄苑が特に悪質だったという話ではなく、ビル型納骨堂のほとんどは「宗派不問」だ。地方の寺院が民間企業と組んで、納骨堂を都心に建てる光景も日常化している。伝燈院との訴訟で勝った東京都は、それらにも今後同様の課税をしていく方針を匂わせているという。

 従来、納骨堂といえば寺院に付属するコインロッカーのようなものが主流で、いわば“廉価版の墓地”のような扱いであった。遺族は小さなロッカーの扉を開けて、わずか数十センチ四方の空間に納められた故人の遺骨に慎ましやかに手を合わせる。それが納骨堂に遺骨を納める人々の先祖参りの光景だった。

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