佐藤愛子&冨士眞奈美 なんともめでたい対談

NEWSポストセブン / 2017年8月13日 7時0分

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冨士眞奈美さんと佐藤愛子さんがスペシャル対談

 おふたりとも実に元気だ。よく笑い、時々怒り、よく話す。ともにひとりで生活をしている。作家・佐藤愛子さんはエッセイ集『九十歳。何がめでたい』が93万部を突破し、2017年上半期ベストセラーランキング総合第1位に。女優・冨士眞奈美さんは『やすらぎの郷』(テレビ朝日系)で演じたアメリカ帰りの元女優役が話題を呼んだばかりだ。元気の秘訣はどこにあるのか。冨士さんが人生の先輩で「憧れの人」佐藤さんにぶつけた日々の不満と不便と楽しみ──。なんともめでたい対談のはじまり、はじまり。

佐藤:『やすらぎの郷』の冨士さん、すごい評判でしたね。新聞社の人に「明日、冨士さんに会う」と言ったら、「くれぐれも、あれは名演技でしたと伝えてくれ」と、3回ぐらい言われましたよ。

冨士:うれしい。私、一度も芝居を褒められたことがないんです。大根(役者)なんで(笑い)。

佐藤:そんなことないわよ。私も見てびっくりしましたよ。これは本格的な女優さんになったなって。

冨士:私のこと? 

佐藤:そうよ。

冨士:えーっ、そんな、そんな。ほんとに大根です。ただ、酒飲みの役は元手がかかっていますから(笑い)。

佐藤:ほんとうに熱演でした。あなた、ふだん、あんまり熱をこめない人じゃないの。やっぱり、シナリオがいいとね。

冨士:ご本が素晴らしくて。全部出来上がっていて、随分前にいただいたんです。あの役は、いろいろモデルもあるみたいですけど、ほんとうの私からはいちばん遠くて、だから客観視できたのかも。

 私自身は怠け者で、アメリカへ行って役者修業しようなんてこれっぽっちも思ったことがない。家で布団にもぐりこんで本を読んでいるのが大好きなの。枕元に食べ物を置いてね(笑い)。

〈おふたりのつきあいはもう数十年に及ぶ。若い頃から佐藤作品の大ファンだった冨士さんが、佐藤さんの親友で作家の川上宗薫さんにその思いを告げたことをきっかけに、佐藤さんと知己に。約5年ぶりの再会となった今回の対談は、佐藤さんの自宅で行われた〉

冨士:これまでにご自宅には2度、伺っています。まだ愛犬のハナちゃんが生きていて、“入れて、入れて”って網戸をガリガリかじるんですよ。先生は結構、冷たくしてらっしゃるのに(笑い)、ずっと先生を見ているので、ハナちゃんはよほど先生が好きなんだなと思いました。

 だから、『九十歳。何がめでたい』で、ハナちゃんが死んだ後、先生が霊能者のかたから「ハナちゃんがグチャグチャしたご飯をもう一度食べたいって言ってます」と聞いて、どっと涙が溢れたというところを読んだら…。私、3回読んで3回とも泣いて、もう泣かないと思っても、またここに来る前に「グチャグチャ飯」のところを読んだら泣けちゃったんですよ。

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