将棋連盟とドワンゴにトラブル 「叡王戦」存続はどうなる?

NEWSポストセブン / 2017年8月21日 7時0分

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藤井フィーバーにわく将棋界だが…(写真:時事通信フォト)

 藤井聡太・四段(15)の快進撃に沸く将棋界。ところが、その裏で将棋連盟とスポンサーに決裂寸前の異常事態が起きていた。

“スマホ疑惑騒動”で時の人となった三浦弘行九段と、事実上の告発者である渡辺明竜王、疑惑発覚後にツイッターに「1億%クロだと思っている」と投稿した橋本崇載八段、そして藤井四段との「三浦3番勝負」を、ドワンゴが企画しようとした。

 元から実現は難しいと考えられていたのだが、連盟は調整に動き、延々と実現の目途をつけられないという「不手際」があった。その結果、5月に行われたドワンゴ主催の棋戦「電王戦」(将棋ソフトとプロ棋士の対局)の打ち上げが中止されたのだ。

 連盟にとって、各棋戦を主催するスポンサーとの関係づくりは重要なものだ。

「2006年には、連盟がより高額な契約金を求めて名人戦の主催を毎日新聞から朝日新聞に移そうとしたことがある。この時は毎日の猛反発に遭い、結局、朝日・毎日の共催に落ち着いたが、かつては新聞社との関係づくりに気を遣っていたのが、今は相手がIT企業に変わってきた」(連盟関係者)

 ネット中継の普及で若い世代にもファン層は拡大し、2014年の将棋電王戦は5局で総視聴者数200万人超えを記録した。さらに連盟は、電王戦終了と同時にドワンゴ主催の棋戦「叡王戦」をタイトル戦に昇格すると発表。連盟と主催社の契約金額(非公表)による序列で、叡王戦は8つのタイトル戦のなかでも竜王戦(主催・読売新聞)、名人戦に次ぐ3番目にランクされた。

「今期の叡王戦はすでに予選が進んでいるが、連盟がドワンゴ側の顔を潰すようなことをすれば今回限りで終了ということもある。ただでさえ、将棋のネット中継を巡る状況は複雑です。4月に藤井四段と羽生善治・三冠(46)の対局が実現した『藤井聡太四段 炎の七番勝負』は、ドワンゴのライバル社であるサイバーエージェント傘下のAbemaTVの企画。ドワンゴ側にとって面白くなかったはず」(観戦記者)

 将棋連盟に見解を問うと「コメントはしません」(広報課)とするのみ。一方のドワンゴは、電王戦打ち上げは「中心となる企画が急遽、白紙となり、残念ながら中止した」(広報担当、以下同)と回答。三浦3番勝負については「回答は差し控えるが、三浦九段の名誉回復につながる企画には協力したいと考えている」とした。AbemaTVとの競合は「同じネット業界から将棋界を支えることで一致する頼もしい仲間」とした上で、「叡王戦を終了する予定は現在のところ、全くない」とした。

 藤井四段の活躍で将棋中継のコンテンツ価値が上がり、新興スポンサーも登場するなかで、“利害調整”はより複雑になっている。

※週刊ポスト2017年9月1日号

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