ソフトバンクと巨人 数字でも示された「育成力」の明暗

NEWSポストセブン / 2017年10月30日 16時0分

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資金力では球界屈指の巨人だが…(写真:時事通信フォト)

 日本シリーズで熱戦を繰り広げているソフトバンク。日本一の行方はまだわからないが、その「地力」が他球団と段違いであることは衆目一致するところだ。2位西武に13.5ゲームの大差をつけた今季は、防御率、本塁打数などでも他を圧倒。交流戦でも1位となり、「ソフトバンク一強」を強く印象づけた。

 その強さを支えるのが「資金力」なのは間違いないだろう。今季の年俸総額は42億800万円で全球団1位となっている。

“金満ぶり”では巨人だって負けてはいない。年俸総額はソフトバンクに次ぐ36億8653万円。3位の阪神(25億3878万円)以下の他球団とは段違いだ。だが、今季は陽岱鋼や山口俊などを「30億円補強」で獲得したにもかかわらず、まったく機能せずにBクラスに沈んだ。

 両チームの明暗を分けたのは何なのか。多くのプロ野球関係者が指摘するのはやはり「育成力」である。

 ソフトバンクの今季優勝の立役者は生え抜きや育成出身の選手が多い。2010年に育成6位で入団した甲斐拓也は正捕手の座を守り抜いた。13勝を挙げた千賀滉大も育成出身だ。チーム最多勝の東浜巨や両リーグ最多ホールドの岩嵜翔も二軍で実績を挙げ、開幕投手・和田毅ら故障組の穴を埋めた。2013年ドラフト4位の上林誠知も右翼手として一軍に定着、13本塁打をマークした。

 WBCで活躍した捕手・小林誠司は規定打席到達者で打率最低など伸び迷み、スラッガーとして期待されたサード・岡本和真には十分な出場機会すら与えられない巨人とは対照的だ。

 両球団の育成力の違いは数字でも示される。プロ野球のデータ分析を専門とするジャーナリスト・広尾晃氏の協力のもと、一軍公式戦における「生え抜き選手」の出場率(※全選手の総出場試合数に占める生え抜き選手の総出場試合数の割合)を調査した。

 巨人では、野手の生え抜き選手が66.7%、投手では59.8%だったのに対し、ソフトバンクは野手80.3%、投手67.4%。どちらもソフトバンクが大きく上回っている。

◆ソフトバンクに10年経っても追いつけない

「自軍で育てた選手を重用するソフトバンクに対し、巨人は3分の1以上を移籍組に頼っている。また、巨人は育成選手26人を含む94人の選手を抱える大所帯ですが、今季一軍公式戦に出場できたのは全選手の51.1%(48人)のみで、12球団最低の割合。FAや外国人選手の補強で若手のチャンスが奪われている実態が浮かびあがります」(広尾氏)

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