北京市が春節の花火・爆竹禁止 出稼ぎ労働者対策の一面も

NEWSポストセブン / 2017年12月18日 7時0分

写真

新年を祝うために、爆竹を鳴らすのがお決まりだが…

 中国の首都、北京市では来年の春節(旧正月、2月16日)に先立ち、花火や爆竹の使用が禁止されることになった。北京市人民代表大会(議会に相当)は花火禁止条例案を可決し、即日発効した。しかし、中国は花火発祥の国だけに、市民や花火製造業者からは強い反発が出ている。

 中国では毎年、新年を祝うために、爆竹を鳴らし、花火を打ち上げる習慣がある。これは、唐王朝時代(618~907年)に花火が発明されたことから、始められたといわれている。

 花火や爆竹の音や炎で悪霊を遠ざけるとも考えられているからだ。それだけに、春節前後には中国全土で大量の爆竹や花火が消費される。

 AFP電によると、近年では大規模な大気汚染が社会問題となっていることもあり、花火や爆竹を規制する都市が増えてきているが、北京市当局は市民が陽気でにぎやかに過ごす春節の祝日期間中にも、この禁止条例を適用するかどうかは明らかにしていないという。

 香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」によると、今回の北京市の花火禁止令には「北京市独特のお家の事情があるようだ」としている。

 それは、北京市では11月19日に低所得者が多く住む居住区画で19人が死亡する火災が発生し、同様の低家賃の住居ビルの取り壊しを行うなど、火災につながる危険物などを取り締まる措置を講じているからだ。

 さらに、これらの区域には民工(ミンコン)と呼ばれる地方から出稼ぎ労働者が多数居住しており、治安の悪化などにも発展していることから、北京市政府は人口増の抑制のために、民工の市内への流入規制を強化していることも関係しているという。

 とくに、民工が居住する地域の建築物はほとんどが古い木造建築で、花火や爆竹が建物に引火する可能性が高く、民工取り締まりのために、今回の花火や爆竹禁止という市条例が制定されたとの見方も出ている。

 北京市では今回の爆竹・花火禁止条例とほぼ時を同じくして、違法建築の取り締まり強化を開始している。これに伴い、民工居住区が重点的に検査の対象となっており、違法建築は直ちに取り壊されているが、そこに居住していた民工も北京市外への立ち退きを命じられている。

 北京市内では検査重点地区は市内2万5395カ所で、約800万人の民工が住んでいるとされる。このため、米紙「ニューヨーク・タイムズ」は「数万人も民工が寒空にさらされ路頭に迷っている。これはまるで当局による人権迫害だ」などと指摘している。

NEWSポストセブン

トピックスRSS

ランキング