池袋で働く韓国人女性に「平昌五輪」はどう映っているか

NEWSポストセブン / 2018年2月17日 16時0分

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母国で仕事を見つけられず日本で働く韓国人女性は多い

 昨年末に行われた韓国でのインターネット調査によれば、韓国国民が卑下と揶揄をこめて使う「ヘル朝鮮」という言葉に共感する人が62.7%、移民を考えたことがある人が54.3%にものぼった。一方、開催中のオリンピックでは自国を熱狂的に応援する韓国国民の姿がある。愛と憎しみが入り交じる彼らの複雑な思いは、とくに失業率が高い若者ほど強いという。ライターの森鷹久氏が、日本で苦闘する韓国人留学生から、母国への本音を聞いた。

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 平昌冬季オリンピックは早くも中盤戦。そもそも雪不足や工事の遅延などが報じられ「本当に開催されるのか?」などとも言われていたが、韓国と北朝鮮が一気にオリンピックを機に融和ムードになるなど、韓国を取り巻く環境がかつてないほど「良好」な状態に見えるのは、おそらく筆者だけではないはずだ。日本に暮らす韓国や朝鮮にルーツを持つ知人らに聞いても、オリンピックに対する評価は軒並み高い。

 一方で、オリンピックが終わった時こそ「すべての不満が爆発するタイミングだ」と指摘するのは、韓国事情に詳しい全国紙の外報担当記者。いわゆる従軍慰安婦問題、中国や北朝鮮、アメリカとの政治的な摩擦、国内経済の不安、止まらない若者の国外流出といった数々の問題は、オリンピックの喧騒の陰にすっかりなりを潜めているとはいえ、何一つ解決されていないからだ。

「韓国での冬季オリンピックの大成功も、北韓(北朝鮮)と仲良くなるのも素敵なこと。だが、楽しむのはそれまで。私たちの国が地獄であることには変わりない」

 諦観の滲む表情で冷静に語ったのは、ソウル出身で東京の専門学校に通うミナ(25)。大学卒業とともに来日したのは、祖国での就職に失敗したからだった。人口5100万人の韓国における2017年の失業率は3.7%。とくに若年(15~29歳)失業率は9.9%にものぼり、過去最悪を記録している。大卒以上の失業者数は50万2000人で、全失業者102万8000人の半分近くを占め、大企業でも新卒採用を増やさないため大卒者にとって就職は超氷河期のまっただ中にある。

「日本語を学べば日本で就職ができる」と考えたミナは、知人らとともに日本の専門学校に入学したが、今も学校に残り学んでいるのはミナともう一人だけ。他は全員、名目上の「専門学校生」を続けつつ、水商売や風俗の仕事をして母国に僅かながらの送金をしつつ、なんとか日々の生活を送る。

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