ハーバードの外国学生 中国921人、韓国305人、日本は107人

NEWSポストセブン / 2018年4月17日 7時0分

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米国留学を希望する中国人は増加の一途 Imaginechina/AFLO

 日本人が内向きになったと言われて久しい。その象徴が海外留学の減少だ。在米ジャーナリストの武末幸繁氏が最新事情を報告する。

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 2010年、米紙ワシントン・ポストが「日本人学生が内にこもるようになった」とのタイトルで、過去10年間に米国の大学で学ぶ日本人留学生が4割減少したと報じた。名門ハーバード大学に至っては2009年秋に学部入学した日本人はたった一人だった。あれから事態は変わったのか。

「ハーバードにいると、ここはシンガポールとかアジアの国にあるインターナショナル・スクールかと思うほどです。とても米国の大学とは思えませんね」

 そう話すのは、昨年9月にハーバード大学デザイン大学院に入学した中村歩さん(仮名)だ。中村さんによれば、入学オリエンテーションに参加した新入生約400人のうち半分の200人くらいが中国人で、韓国人も60人ほどいたという。日本人は中村さんを含めてたった3人だったそうだ。

「キャンパスにはたくさんのアジア人留学生が歩いていますが、中国人と韓国人が圧倒的です」(中村さん)

 ハーバード大学の学部・大学院を合わせた外国人学生は2016~2017年度で合計4900人にのぼる。うち日本人は107人(ピークだった1994~1995年度の190人超から半減)。

 一方、中国人は921人(1992~1993年度の231人から4倍増)、韓国人も305人(1992~1993年度の123人から2.5倍増)と日本人を圧倒している。

 学部に在籍する日本人は現在10人で、うち8人は海外一流大学の進学をサポートする専門塾「RouteH」(ベネッセコーポレーションが運営)の卒塾生だ。責任者の尾澤章浩氏は減少理由を次のように説明する。

「学部合格者数はここ10年間、毎年2人程度と横ばいですから、以前に比べ全体の日本人在籍者数が減った一番の理由は、9割以上を占める大学院進学(在籍)者の減少と考えられます」

 背景として、(1)バブル崩壊後、長く続いた景気悪化に伴って企業がコスト削減を追求した結果、社費留学が減ったこと、(2)社員を送り出しても帰国後に会社を辞めてしまうケースが多く企業側にメリットがなくなったことがあげられるという。

 マサチューセッツ工科大学(MIT)など他の一流校も似たような状況だ。企業にとってグローバル人材の確保・育成が必須と言われる時代にこれで大丈夫なのだろうか。

 一筋の光は、ハーバード大の日本人在籍者数が2014~2015年度の82人を底に、その後は回復基調にあることだ。前述の通り、最新データでは107人まで持ち直している。

「海外留学を再評価した一部の企業が、ここにきて社員を積極的に海外へ送り出し始めているという話を聞きます。また大学院進学者を支援する奨学金が日本でも少しずつ増えてきていることも理由の一つとして考えられます」(前出・尾澤氏)

 学部出願者も数年前は40~50人だったが、昨年は100人ほどになったというから、「内向き」は過去の話になりつつあるようだ。今後に期待したい。

●たけすえ・ゆきしげ/1959年福岡県生まれ。雑誌編集者などを経て1988年渡米。2005年からフリーランスに。現在邦字紙「さくら」の編集長も務める。

※SAPIO2018年3・4月号

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