人間ドックはあくまで基本セット 新たな検査が必要な人も

NEWSポストセブン / 2018年3月12日 16時0分

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人間ドックの注意点は?

 毎年、会社で受けていた人間ドック。リタイアしてからも、「病気は早期発見が大切だ」と受診し続けている人も多いはずだ。

 日本人間ドック学会が推奨する「平成30年度 1日ドック基本検査項目表」によれば、人間ドックの項目は12区分50種類に達する。しかし、医療経済ジャーナリストの室井一辰氏は、「人間ドックを過信してはならない」と指摘する。

「死に直結する重篤な病気の発見に特化しているわけではありません。例えば、基本検査項目には『脳の検査』が入っていないため、歳を重ねるほど増す脳梗塞や認知症のリスクに対応できていないのが現状です。

 胸腹部に関しても『胸部X線』『上部消化管X線』『腹部超音波』の3検査のみで、十分とはいえない。『胃がん内視鏡検査』や『肺がんCT検査』など、高齢者ほどかかりやすいがんを初期の段階で判別できる検査が含まれていない。ほかにも『甲状腺検査』や『腫瘍マーカー検査』など、メジャーな検査がことごとく基本項目から漏れています」

 もちろん、人間ドックがまったく無駄というわけではない。だが、あくまで「万人向けの基本セットメニュー」であって、各人の遺伝的リスクや生活習慣を考慮した「オーダーメード」ではない。

「例えば、がんの中でも大腸がんや乳がんには遺伝性のものが多いことが知られています。また、不規則な生活を送る人は、そうでない人に比べて高血圧や動脈硬化のリスクが高いことも知られている。自分の健康リスク要因や心配によって、必要に応じた検査を選択していくことが重要なのです」(同前)

 近年、医療技術革新によって、病気を見つける精度の高い新たな検査が続々と受けられるようになっている。内視鏡やPET(陽電子放射断層撮影装置)といった検査機器の進化や、血液検査、医療ビッグデータやAI(人工知能)の活用などによって、様々な病気を特定できるようになった。

 こうした最新検査は人間ドックの基本検査項目には含まれない。受けられる場合でも、オプションで追加料金を支払う必要がある。

「これらの検査が人間ドックの基本項目に組み込まれるまでには、大規模な試験が必要になって何十年もかかってしまう。残りの人生を考えれば、高齢者にはそれを待っている時間はありません。自ら進んで自分に適した検査法を“選ぶ”必要があるのです」(同前)

※週刊ポスト2018年3月23・30日号

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