定年後の起業 月10万円稼げばいいという気持ちでやるべき

NEWSポストセブン / 2018年4月4日 16時0分

━━ではどうすればいいのでしょうか。

大村:公的年金以外に収入の無い人はできるだけ長く働くことは当然ですが、様々な制度を駆使してお金を確保することです。たとえば、65歳まで再雇用されて退職した場合は、雇用保険は支給されません。しかし、65歳の誕生日の2日前までに退職して、ハローワークに行き、求職活動することで5か月分の雇用保険がもらえます。この時点で65歳を超えていても問題ありません。再雇用で給料が大幅に下がっていたとしても、多ければ5か月合計で100万円近い雇用保険を手にできる可能性もあります。また、有名なところでは、確定拠出年金に加入して節税しながら私的年金を増やす方法がありますが、ほかにも長生きすればするほど得をする“とんちん年金”などに加入することも一つの方法です。これは私も加入しようと考えているものです。

━━金融機関はやたらと「貯蓄から投資へ」と煽っていますが。

大村:退職金をもらって投資家デビューする方は多いですが、ほとんど失敗します。それは短期での売買で売却益(キャピタルゲイン)を狙うからです。そんなにうまい話はありません。私の知り合いで元証券マンが定年退職してから個人投資家デビューしましたが、退職金を目減りさせてしまい、仕方なく再就職したくらいです。それよりもトヨタ自動車など安定的に配当を出す企業に長期投資して配当金をもらう方法を考えた方が賢いです。普通預金金利が0.001%ですが、過去10年のトヨタの配当をならすと年1.5%にもなります。株価が安い時期に買った人は年4%のリターンになります。

 高齢者は失敗したときに挽回することができないので安全第一。元金を確保するならば、国が元金と利息を保証している変動金利型10年満期個人向け国債がいいですね。歴史的な超低金利で0.05%と低いですが、政府が目標としているインフレになった場合、金利も上がるので銀行の普通預金に入れておくよりは絶対にいいです。

━━定年後に起業するという道もあります。

大村:個人事業主として起業する場合は、借金をしないことは大前提として、趣味と実益を兼ねて無理せずに月10万円程度稼げばいいという気持ちでやることが重要です。起業すれば、いろいろなお金が経費として計上できます。パソコン代やスマホ使用料、書籍購入費や打合せ飲食費などはほぼ100%経費で落とせます。また青色事業専従者給与というものを利用して奥さんに給与を払うことにすれば、節税にもなります。

 また、もし事業が成功して売り上げ1000万円を超えるようだったら会社組織にして、健康保険や厚生年金にも入ることができます。国民健康保険より割安ですし、年金額を増やすという観点からも絶対お勧めです。キモは自分の報酬を最低限に抑えることです。税金や保険料は安くなります。給料が少なくとも、その分経費を使い倒して生活レベルを維持することも可能です。雇用保険にも入れます。

 気を付けることは社長にはならないことです。社長になってしまうと雇用保険には入れませんから。奥さんや知人と会社を興して、その人たちに社長をやってもらい、自らは従業員となることで最大限の果実を享受しましょう。

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