小学校の道徳が教科に格上げ 誠実さ、国や郷土愛などを評価
NEWSポストセブン / 2018年4月10日 16時0分

「道徳」を教師はどうやって評価するのか
4月から小学校で、これまでは教科外活動として行なわれていた「道徳の時間」が、「特別の教科 道徳」に“格上げ”された。
年間35コマの授業が義務化され、他の教科と同じく、文科省の検定を受けた教科書を使用することになった。
それに伴う最大の変化は、教員が児童を「評価する」ようになったことだ。他の教科のように5段階などの数値評価をするわけではないが、記述式で担任教師が児童の道徳への取り組みを評価する。
学習指導要領によると、教える内容は「善悪の判断」「誠実」「思いやり」「国や郷土を愛する態度」など。つまり、「善悪の判断がついているか」「誠実さはあるか」「思いやりはあるか」「国や郷土を愛しているか」が、評価の要素になるということだ。
保護者の間からは戸惑いの声が上がっている。
「誠実さがないとか、思いやりがないとか書かれることもあるということでしょうか。そんなこと書かれたら、ただでさえナイーブなうちの子は、傷ついて学校に行けなくなってしまうかもしれない」(小3女児の母親)
「道徳心があるとかないとかが、学校で評価されることなのか。まるで親のしつけまでテストされているように感じて気分が悪い。まして国や郷土を愛しているかどうかなんて個人の勝手でしょう」(小5男児の父親)
そもそもこれまでの道徳の授業は、あるにはあっても「適当に教材を読むか、行事の準備の時間に当てたりしていた」(都内の小学校教師)というのが実態だったようだ。
戦前の日本の道徳教育は「修身」という科目だったが、愛国心教育に偏ったことを戦後、GHQが問題視し授業を停止、その後1958年に「道徳の時間」として復活してからも、教科としては扱われなかった。
その地位を一気に押し上げたのが、安倍政権だ。第一次政権時代に首相肝煎りの教育再生会議で「徳育」という名称での教科化を提言するも頓挫したが、第二次政権では着実に教科化を推し進め、実現にこぎ着けた。
今年春からまずは小学校で教科になり、来年からは中学校でも同じく教科としての道徳が始まることになる。
※週刊ポスト2018年4月20日号
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