中国「ヘビ料理店」にバイト潜入 さばくのはけっこう難しい
NEWSポストセブン / 2018年4月23日 16時0分

ヘビ料理店でこれからさばくヘビを持つ西谷氏
ネズミにヘビ、サルの脳……中国は日本では見られないような食材が出回ることで知られる。『ルポ中国「潜入バイト」日記』(小学館新書)を上梓したライターの西谷格氏が、こうした中国の「食文化の真実」を探るため、現地のヘビ料理店への潜入取材を敢行した際のエピソードを紹介する。
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中国の中で“メジャー”なゲテモノ料理といえば、ヘビ料理だ。では、どのように調理しているのか。広州市内のヘビ料理店に電話をかけたり、直接「雇って欲しい」と訪問したりして、6軒目でついに採用にこぎ着けることができた。
店の看板メニューはヘビの「お粥」と「唐揚げ」。レジ横で経営者に面会し、立ったままで簡単な面接を行なった。年齢と国籍を確認されてから、「日本人だけどヘビを調理した経験はあるのか?」と聞かれたので「勉強しているところで……」と濁したところ、いきなり「よし、じゃあ早速今日から働いてくれ」と面接時間1分で即決採用された。
厨房に入るとすぐヘビ粥の注文が入る。熱湯で湯がいたヘビをハサミでさばいて「肉と内蔵に分けるように」と指示された。いきなりのことだったが、感情を押し殺し、先輩の真似をしながら手を動かすが、細かい作業で難しい。最初は内蔵を素手で触るのは特に抵抗があったが、周囲が“食べ物”として当たり前のように触っているのを見ていると、意外と気持ち悪いとは感じなくなってきた。日本人が魚をさばく感覚と近いように思える。
一息ついて流しの下に目をやると、大量の茶色いカエルが金属製のゲージに詰め込まれているのを発見。注文が入ると初老のコックがハサミで首から上をチョキチョキと切り落としていたが、胴体だけがバタバタと跳ね回るので、少々不気味だ。コックは小魚をさばくような手つきで、包丁を使いながら器用にカエルの皮を剥いていった。
調理中、ヘビやカエルを恐る恐る味見をしてみると、骨張っていてパサついた鶏肉のような味がした。なんとも微妙な味である。
そうして働くこと10時間。深夜3時、ようやく閉店となって仕事が終わった。すると、渋い表情をした社長から手招きされた。
「あんた動きが遅いね。ヘビの扱い、慣れてないでしょう。明日はもう来なくていいよ」
そう言って50元札(約850円)を渡された。なんと1日でクビになってしまったのだ。残念。同僚からは「一緒に働きたかったけど、社長がそう言っているから仕方ないよ」と慰められた。
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