中国語だけで暮らせる新チャイナタウン・西川口へ行ってみた

NEWSポストセブン / 2018年7月16日 7時0分

 近所のイトーヨーカドーのフードコートでは、鴨の頭や鴨の首が中国語の説明書きのみで売られている。日本人は誰も買わず、中国人だけが買うのでこうなっているようだ。

 西川口には、多くの在日中国人の故郷である旧満州や福建省の料理のほか、雲南省の過橋米線(グォチャオミィシエン)、西安の刀削麺(ダオシャオミエン)、湖北省の鴨ボー(ヤーボォ)、甘粛省の蘭州拉麺(ランヂョウラーミエン)、新疆ウイグル自治区の郷土料理など中国各地の味が揃う(*)。いずれも中国人客向けなので、接客は無愛想だが妥協のない味が楽しめる。

【*〔過橋米線〕熱々のスープが入った土鍋に米線(ライスヌードル)と野菜、ハムなどを入れて熱して食べる。
〔刀削麺〕日本でもよく知られた、小麦粉をこねて包丁で削りながら熱湯に落として茹でるコシの強い麺。
〔鴨ボー〕鴨の首肉を、唐辛子、花椒、八角などの入ったタレにつけて煮たり焼いたりしたスパイシーな料理。
〔蘭州拉麺〕薬味に香菜が使われるのが特徴的な麺】

「中華料理店の店主はここ数年以内に出店した人が大部分。店舗が多いのも、旧風俗街とは逆の路地です。昔の裏風俗の経営者たちと、現在いる中国人に、つながりはないみたいですよ」

◆中国軍歌が歌えるカラオケ

 留学生の張君の家探しに付き合って駅前の不動産屋に飛び込むと、担当者からそんな話を聞いた。なお、この不動産屋は中国人経営で、従業員もほぼ中国人。主に中国・ベトナム客向けに物件を紹介している。

「西川口の中国人住民は留学生が多いですが、都内に通うベッドタウンとして家族で住む人もいる」

 留学生がよく住むワンルームマンションを見せてもらう。駅徒歩7分、築3年、専有面積20平米で共益費込み6.9万円。まずまずの物件だが「激安」とは言えず、現在の中国人留学生の生活水準の向上を感じる。

「入居者は絶えずいる。なので、賃貸経営用に購入する中国人も多いですね。このくらいの物件なら600万~1000万円くらいで買えますから」

 もともと「風俗の街」の印象が強いだけに、物件の相場は比較的安い。中華料理店の激戦地帯にある土地面積86平米の5階立て商業ビルすら、1棟の売値は2億円程度とお買い得だった。今後も在日中国人による活発な投資が続くだろう。

 夜、中国人向けのカラオケボックスに行ってみた。こちらではなんと、近年の中国のスマホ普及を反映してか、客がチャットアプリ『微信(ウィーチャット)』を使用してインターネット上からさまざまな楽曲をオーダーできる最新設備を揃えていた。日本国内にいるにもかかわらず、張君と一緒に中国共産党のプロパガンダ歌謡や人民解放軍の軍歌を存分に熱唱してしまった。

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