巨人・菅野に強い阪神・高山、カモと天敵はなぜ生まれるか

NEWSポストセブン / 2018年7月9日 7時0分

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カモと天敵を解説する江本氏

 昨シーズンは最優秀防御率1.59をマークし、17勝をあげて最多勝、沢村賞に輝いた巨人のエース・菅野智之(28)。今季もすでに8勝をあげて防御率2.38という抜群の安定感だ(7月4日終了時点、以下同)。

 ところが、そんな菅野を「カモ」にするバッターが球界に何人かいて、中には“なぜこの選手に?”と疑問に思うようなバッターも含まれているのだ。

 たとえば、今季開幕から41試合に出場して打率.183、1本塁打と絶不調で、5月以降は一軍と二軍を行ったり来たりの“悩める若トラ”高山俊(25)である。

「3月30日の巨人との開幕戦で、金本(知憲)監督が高山の1番スタメン起用を決めたのは、昨年の対菅野の成績が7打数4安打(.571)と相性が良かったことが理由でした。高山は2回に適時打を放ち、菅野のKOに貢献。その後も二軍に落ちるまでの間に、対菅野にだけは8打数4安打(.500)と立派な数字を残していたから、本当に謎です」(担当記者)

 ヤクルトでは6月下旬から1番に据えられた西浦直亨(27)が、菅野の「天敵」になりつつある。

「昨シーズンまでは全く打てなかった菅野に対して、今季は6打数3安打1本塁打と攻略している。終盤戦で巨人とCS進出を争う展開があり得るが、西浦が相手の絶対的エース攻略のカギを握ることになるかもしれない」(球団関係者)

 年俸1700万円のバッターが、その30倍近い年俸4億5000万円を稼ぐ球界随一の投手を打ち崩そうとしているのである。プロ野球のデータに詳しいジャーナリストの広尾晃氏はこういう。

「野球には『謎の相性』というものが確かにある。クリーンアップを張る主軸は打ち取れるのに、なぜか脇役の選手を苦手にするエース級というのがいるんです。今季、10勝でハーラートップの広島・大瀬良大地(27)を見ても、打率2割台の阪神・伊藤隼太(29)にここ2シーズンは打率5割と打たれています」

 こうした理解しがたい「カモ」「天敵」はなぜ生まれるのか。辛口評論でお馴染みの江本孟紀氏はこんな言い方をする。

「最初は、投手の側が相手を舐めてかかるところから始まるんだと思います。それで1回打たれると、バッターは格上から打ったことで自信を持つし、ピッチャーのほうは“なんであんな奴に……”と悩み始める。そうすると、不思議なものでその相手にだけ、球がド真ん中にいったりする」

 マサカリ投法で通算215勝をあげた村田兆治氏は、現役時代にまさしくそんな体験をしたという。

「阪急にいたマルカーノ(1975~1982年)には、とにかく打たれた時期があったね。アウトコースに投げているのに、吸い込まれるように真ん中に入っていくんだから腹が立ちますよ。タイミングを狂わせるためにクイックで投げたり、チームメイトの仁科時成からサイドハンドの投げ方を聞いて試したりもしたけど、自分のやり方を変えようとした時点で負けているね」

 一度、負のスパイラルに嵌まると苦手意識がどんどん増幅していくわけだ。

※週刊ポスト2018年7月20・27日号

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