がん手術は5歳刻みで選択が変わる あえて手術しない判断も

NEWSポストセブン / 2018年7月13日 7時0分

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手術に踏み切るかどうかは慎重な判断が必要(写真はイメージ)

 巷に溢れる「やってはいけない」「やったほうがいい」という健康情報には、実践する側が知りたい「肝心な情報」が抜けている。“良いか、悪いか”は詳しく記しているのに、「誰に合うのか」は軽く見られているのだ。

 特に困るのが「シニア向き」「中高年向き」という“括り”である。人生100年時代において、60歳と70歳、さらには80歳、90歳の健康対策が同じでいいはずがない。怖ろしいことに、実践する年齢が適していなければ、「害」になる健康対策もある。

 慎重な判断を迫られるのが、「手術」だ。特に命にかかわることの多い「がん」の場合、外科手術は有力な選択肢となる。ただ、体への侵襲性が大きいだけに、加齢とともにリスクも増す。

 千葉県がんセンター研究所がん予防センターが公表する「全がん協生存率」のデータでは、主要ながんについて「出術した場合」と「しなかった場合」の年齢ごとの5年生存率が公表されている。そのデータを整理して、さらに医師ら専門家の協力を得てまとめたところ、5歳刻みで選択は変わってくることがわかる。『不要なクスリ 無用な手術』の著者で、医師・ジャーナリストの富家孝氏が解説する。

「手術はがんを除去できるメリットがある半面、メスを入れることや全身麻酔などによる負担が大きい。術後の後遺症や合併症もあり、部位やステージ、それに年齢次第ではリスクがベネフィットを上回る。末期の場合は別として、進行が遅く、命にかかわらないケースが多い前立腺がんなどは典型的ですが、年齢が増すほど『あえて手術しない』という選択肢を検討することが重要になってきます」

 一方で、肺、胃、大腸の3大がんは50歳以上の全世代で「手術あり」が「手術なし」の5年生存率を上回った。もちろん、これらのがんであっても「リスクのない手術」は存在しない。ただ、“高齢者はがん手術をやってはいけない”という乱暴な健康情報が氾濫する中で、「患者の既往症などを踏まえて『切れる』状況であれば、手術が第一選択となることは知っておいてほしい」(前出・富家氏)という指摘も重要だろう。

※週刊ポスト2018年7月20・27日号

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