「オレが先だ!」診察待ち時間を巡って殴り合いを始める患者

NEWSポストセブン / 2018年8月4日 7時0分

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殴り合いをする元気はあるようだが……

 医師や看護師に対する暴力や患者同士の喧嘩、さらには窃盗、セクハラなど、病院内ではさまざまなトラブルが発生している。現在、こうした事件に対処すべく“院内交番”を設置している病院は全国に約300ある。

 ここでは実際に病院専属ポリスが出動した「暴力事件」の内容を報告する。

 患者たちが静かに名前を呼ばれるのを待っている、大病院の待合室。

「〇〇さ~ん。診察室にお入りください」と看護師が告げた。ひとりの男性患者が「自分の番が来た」と立ち上がると、近くにいた別の男性患者が突如その腕を掴んだ。

「俺のほうが先に来た!」
「何だよ! 俺が呼ばれたんだ。文句あるかッ!!」

 売り言葉に買い言葉で、怒鳴り合いは揉み合いに発展。看護師の制止もきかず、2人は殴り合いを始めた。

 駆けつけた院内ポリスは2人を引き離し、「あの看板が見えますか?」と言って、受付の方を静かに指差した。そこには、「順番が前後する場合があります」と書かれた紙が貼られていた。現役の院内ポリスとして活躍する聖路加国際病院の佐藤太郎氏がいう。

「現役の警察官の時なら、暴力沙汰を起こしている相手や酔っぱらいに対して、強く接することもできましたが、病院で相手が患者さんの場合はそうもいかない。『ちょっと涼しいところに行きましょう』などといって、基本は常に“相手の立場を考慮”しながら状況に応じた声かけに徹し、粘り強く説得して現場解決に努めています」

 他にも、がん患者に余命を伝えたところ、患者が自暴自棄になり、「『ほかのヤツも道連れにしてやる!』と同室の患者を襲った事件もあった」と証言するのは、元警視庁捜査一課管理官の横内昭光氏だ。同氏は2004年、慈恵医大病院が全国で初めて「院内交番」と呼ばれる渉外室を設置。警察OBが常駐して院内を監視するシステムを立ち上げた。

 暴力を振るうのは患者とは限らない。

 医師が交際していた看護師に対して、フラれた腹いせに手をあげたり、医師と研修医がひとりの看護師を奪い合い、研修医が刃物を持ち出したケースもあったという。

※週刊ポスト2018年8月10日号

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