初詣の歴史は案外浅い、鉄道の発達と共に広まったもの

NEWSポストセブン / 2018年9月18日 7時0分

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「初詣」の初出。明治18年1月2日の東日新聞

「クールジャパン」の一角を成しているのは間違いなく日本の「伝統」だろう。だが、私たちが「伝統」と信じているものの中には歴史の浅いものが結構含まれている──。

 正月に家族総出で初詣に繰り出す。まさしく日本の伝統のイメージだが、「初詣は明治中期に成立した比較的新しい行事。鉄道の発達と共に広まったものです」と語るのは九州産業大学の平山昇准教授だ。

 新聞での「初詣」の初出は明治18年で、「初詣」を最初に広めたのは川崎大師である。東海道線の開通は明治5年だが、その後まもなくして正月に川崎大師へお参りに行く人が増えた。

「江戸時代までの参詣は、縁起を担いで“いつ”“どこに”を気にして参る『恵方詣』でした。でも鉄道の開通で、『恵方などにこだわらず、汽車に乗って楽しくお参りしよう!』と、レジャーの要素が加わります。

 鉄道のおかげで急に賑わいを見せた川崎大師で、縁日とも恵方とも関係のない新しい正月の参詣が『初詣』となりました」(平山准教授)

 東京の場合、明治天皇をお参りできる明治神宮が1920年(大正9年)に創建され、多くの初詣客を集めた。そのころから、「恵方」という言葉が巷から消えていった。

「明治神宮が『初詣』の決定的な人気を運命付けたともいえるし、江戸時代から続いていた『恵方詣』にとどめを刺した、ともいえます」(平山准教授)

※SAPIO2018年9・10月号

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