臍帯血療法、ゲルマニウム 民間療法に対する名医の評価は?

NEWSポストセブン / 2018年9月17日 16時0分

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民間医療を医師はどう見る

 約10年にわたる闘病のすえ、乳がんで53歳の若さで世を去った漫画家のさくらももこさん。最初の発症時に受けた抗がん剤治療に苦痛を感じ、再発後は「民間療法」に切り替えていたという。

 民間療法を選ぶのは薬や手術で効果が得られなかったり、「西洋医学に頼りたくない」と考える患者のケースが多い。

 特にがん患者が行なうものは「がん代替療法」と呼ばれ、がん患者の実に44.6%が何らかの代替療法を受けているとの調査もある(2005年・厚生労働省『我が国におけるがんの代替療法に関する研究』より)。

 実際に民間療法を病院やクリニックでの治療に取り入れている医師は少なくない。だが、総合内科専門医で民間療法の現状に詳しい秋津医院院長の秋津壽男医師はこう指摘する。

「民間療法は玉石混淆です。効果が医学的に証明されているものを正しい目的で治療に用いるのはいいが、エビデンスがない療法はかえって病状を悪化させる危険がある」

 そこで、秋津医師に、医学的な観点から2つの民間療法を評価してもらった。

【臍帯血療法】

 臍帯(さいたい)とは新生児と母体をつなぐ「へその緒」で、そこから得られる血液には、白血球や血小板など血液細胞の元になる造血幹細胞が含まれている。その特性に注目し、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫など血液疾患の治療に臍帯血を利用するのが、臍帯血療法だ。

「白血病や再生不良性貧血など重い血液の病気についてはエビデンスがあり保険も適用される」(秋津医師)

 しかし、血液以外の病気に対する治療効果は認められていないという。

「そもそも他人の細胞なので、人体からすれば“異物”。輸血同様に感染や拒否反応が起こるリスクもある」(秋津医師)

【ゲルマニウム】

 1970年代に大ブームになるも、中毒症状などが報告され、鎮静化したゲルマニウム。ところが近年の健康ブームの中で“再注目”されている。「ゲルマニウムが体内の酸素循環を活性化させ、万病を癒す」というのが謳い文句だが、秋津医師は一刀両断する。

「ミネラル欠乏には効くかもしれませんが、他の疾患や症状には無関係。経口摂取しても、(ブレスレットなどで)肌に触れさせても効果があるはずがなく、リスクのほうが高い」

 国立健康・栄養研究所も、食品としてのゲルマニウムの有効性を示すデータは「見当たらない」とし、それどころか「(中毒症状などで)生死に関わる副作用が出る可能性が否定できない」と指摘している。

※週刊ポスト2018年9月21・28日号

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