【法律相談】犬の糞の不始末 なぜ警察は相談に乗らない?

NEWSポストセブン / 2018年9月21日 7時0分

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犬の糞問題に警察はノータッチ?

 犬や猫など、ペットを飼っている人は多いが、気を付けなければならないのがマナーの問題。中でも糞にまつわるトラブルは、よく耳にする話だが、飼い主が犬の糞を片付けないのに、なぜ警察は糞害に悩む住人の相談に乗らないのか? 弁護士の竹下正己氏が回答する。

【相談】
 犬の糞に困っています。最近、散歩中の犬が玄関先で糞をしても、飼い主が片付けません。どうやら新しく引っ越してきた家の犬の糞だとわかり、警察に相談すると「糞の問題は当事者同士で話し合ってください」と取り扱ってくれず。でも、犬の糞は不法投棄であり、警察の仕事のはずですが、違うのでしょうか。

【回答】
 犬の糞は、廃棄物処理法が定義する廃棄物です。同法は廃棄物をみだりに捨てることを禁止し、違反者には5年以下の懲役、または1000万円以下の罰金が科せられるので、警察マターになりえます。

 もっとも、ばらまいたのであればともかく、散歩中の犬が排泄した糞の放置が「捨てる」になるか異論がありそうですし、それだけで廃棄物処理法を持ち出すのは大げさです。軽犯罪法では「公共の利益に反してみだりにごみ、鳥獣の死体その他の汚物又は廃物を捨てた者」を拘留、または科料で処罰できます。

 そこで道路などを散歩中の犬がした糞を放置するのが「捨てた」といえるか、また「公共の利益に反して」とまでいえるかが問題となります。

 糞害に悩む自治体では、条例で規制していて「犬の飼い主又は管理する者は、公共の場所等で、犬の糞を放置してはならない」と定めています。違反者には持ち帰りなど改善措置を勧告して、改善しない場合には従うよう命令し、命令に違反すれば、罰金を科す自治体もあります。

 罰金は刑事罰ですから、警察マターです。しかし、条例がもともとない自治体や罰則がない条例もあります。警察が苦情を受け付けてくれなかったのは、そのせいかもしれません。ただ罰則がなくても、違反者の氏名の公表、糞害が重大な場合、警察等に刑事罰適用の要請などをする条例もあります。飼い主は新しい住民ですから、役所と相談し、穏やかに指導してもらうのがよいと思います。

 敷地外でも、玄関先に犬の糞を放置されると臭いだけでなく、片付けも必要で、日常生活にも支障が生じます。飼い主は動物が人に迷惑を及ぼすことがないよう努める義務があり、受忍限度を超えると動物が加えた損害の賠償責任を負うことになります。

【弁護士プロフィール】竹下正己(たけした・まさみ):1946年、大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年、弁護士登録。

※週刊ポスト2018年10月5日号

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