菅前総理の露批判後 前原氏が露外相と15分2人だけで会談した

NEWSポストセブン / 2012年1月14日 7時0分

前原誠司・民主党政調会長は、外相時代にロシアのラヴロフ外相と幾度となく会談している。そして2011年2月にその前原外相がロシア側に対し、「日本の法的立場を害さない前提での、北方領土における共同経済活動」を呼びかけた。度重なる会談で何が話し合われたのか。元外務省の主任分析官・佐藤優氏が切り込む。

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佐藤:当時の状況を振り返ると、前年(2010年)11月のメドベージェフ大統領による北方領土上陸があり、日露関係は悪化していました。訪露直前の「北方領土の日(2月7日)」には、菅首相がメドベージェフ大統領の国後島訪問を「許し難い暴挙」だと発言。誰もが前原訪露は失敗すると思っていた。しかし、そうはならなかった。

前原:佐藤さんがおっしゃるように、険悪なムードが予見されていましたが、私はダメージをマネジメントすると同時に、「前向きなメッセージ」を日本側から出す必要があると考えていました。モスクワに入り、ホテルで外務省が用意した会談のトーキングポイントを整理していましたが、どうも物足りなかった。

出発前から私は「共同開発を呼びかけたい」と事務方に告げていましたが、それが入っていなかった。ですから欧州局長とロシア課長、国際法局長、私の秘書官を呼んで、その提案をどう思うか聞いたところ、みんな賛同してくれました。そうしてラヴロフ外相への提案につながっていきます。具体的に言いますと、まず、「15分だけ2人きりで話す時間が欲しい」と打診しました。

――険悪なムードがある中で、どう打診したのですか。

前原:ロシア側も、マスコミや国民の目があるので、表面的には厳しいことを言いますが、実は何とか私をうまく迎え入れたいと思っていたのだと思います。その感触は外相会談の会場に着いた時の「迎え方」でわかりました。

佐藤:会場は、モスクワのアレクセイ・トルストイ通りにある迎賓館でしたね。2階建てのゲストハウス。

前原:そうです。そこに到着した時、ラヴロフ外相が1階の車寄せまで迎えに出てきたんです。2月のモスクワですから、気温は氷点下10度以下。握手をし、入り口の階段を一緒に上っていきました。そこで私は、「15分間だけ、2人きりで話をしたい」と呼びかけ、了解をもらったのです。

佐藤:会談会場の部屋がある2階では、メディアの記者たちが待ち構えていた。そこに入る前、2人で階段を上る一瞬の間隙を縫って、業界用語で言う「テタテ(tete-a-tete=一対一の会談)」に持ち込んだわけですね。

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