母の発病がきっかけ 小学生自由研究「がんについて」が反響

NEWSポストセブン / 2018年10月20日 16時0分

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さやかちゃんが「たくさんの人に知ってほしい」と思ったこと。自由研究『がんについて』より

「ねぇ、さっきカメラマンさんと“恋バナ”してたでしょ?」
「えっ、ママ、聞こえてたの?」
「なになに~? ママにも教えてよ」
「またあとでね~!」

 屈託ない笑顔と女子トークで盛り上がっているのは、東海地方に住む主婦の由紀さん(43才)と一人娘のさやかちゃん(12才)。親子というより、まるで姉妹のようだ。もともと仲のいい母娘だったが、ふたりの絆は、この夏を経てさらに強いものとなった。

 そこには、さやかちゃんの“研究結果”があった──。

 由紀さんは3年前にがんを発病し、現在も抗がん剤投与などを受けて闘病中だ。さやかちゃんは母の病気を知り、がんについてもっと知りたいと思った。パソコンでがんについて調べ、細かくノートに書きつけた。そして、小学校で課されたこの夏休みの自由研究のテーマにがんを選び、一冊にまとめた。

『がんについて』と題されたスケッチブック大の表紙をめくると、イラストや漫画を交えながら、丁寧な文字で研究内容が綴られている。これが今、大きな反響を呼んでいる。

「最初の頃はがん=死と直結してしまい、なかなか娘に本当のことを言えませんでした。でも、意を決して打ち明け、娘はそれに正面から向き合ってくれた。うれしかったです。…今回、取材のご依頼を最初はお断りしようと思っていました。女性週刊誌というと、“奇跡の”とか“衝撃の”って大袈裟に書かれちゃうんじゃないかと思って。

 でも、娘の作品を見るにつけ、その思いを改めました。私自身がかかって思ったことですが、がんに対する先入観やマイナスの思い込みをなくして、正確な知識をより多くのかたが持つべきだと思います。この記事がそのきっかけになればありがたいです」

 自由研究『がんについて』が完成に至るまでの、揺れ動く母娘の心中を聞いた──。

◆『発病』──娘に病名をきちんと話した方がいいんだろうか──

「がんのことを知れば、親がどんな病気にかかっているかを理解できるし、もし自分がかかった時も焦らないな、と思いました。私が自由研究を通して思ったのは、きちんと治療をすれば、“がんは怖くない病気だ”ということです」

 そう語るさやかちゃんだが、母の病気を知り理解するまでにはいくつかの過程があった。 体調不良を感じた由紀さんが国立病院機構名古屋医療センター(愛知県名古屋市)で診断を受けたのは、3年前。診断は「悪性腫瘍」、がんだった。

 耳や顎の下にある大唾液腺や口腔、鼻腔などに発生することが多い、腺様嚢胞(せんようのうほう)がんという希少がんだった。

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