オリンパス、新たな不正疑惑で「社内弁護士」の実名爆弾告発

NEWSポストセブン / 2018年10月23日 7時0分

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隠蔽体質は今も変わっていないのか(EPA=時事)

「歴史は繰り返す。一度目は悲劇として、二度目は喜劇として」──マルクスの言葉だが、再び問題が起きたこの企業のことは「喜劇」で済まされない。オリンパスは2011年、損失隠しを明らかにしようとした新社長を解任し大スキャンダルとなったが、現在、新たな不正疑惑について追及する社員の動きを封じようとしている。そして社員は、実名告発に踏み切った。経済ジャーナリストの山口義正氏が、会社としての求心力を失いつつあるオリンパスの内情をレポートする。

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 7年前のちょうど今頃、損失隠し事件(※注1)に揺れていたオリンパスが現在、弁護士資格を持つ社員に訴えられるという前代未聞の裁判で被告人席に立たされている。

【※注1/オリンパスが損失を会社外に移す「飛ばし」という手法で隠し、長年にわたって巨額の粉飾決算を行なっていた事件。2011年7月、山口氏が月刊『FACTA』で問題を指摘、同記事を見たウッドフォード社長が調査を行なう最中、解任された。その後、社内調査の結果、同社は同年11月に損失隠しの事実を認めた】

 訴えたのは同社法務部勤務の榊原拓紀弁護士。オリンパスの法務問題を処理するために社員として在籍している彼が、自らの雇用主を相手取って訴えを起こしたのは、パワーハラスメントと公益通報者保護法違反が理由だが、その背景には深刻な疑惑と経営問題が横たわっている。

 オリンパスで今何が起きているのか、原告の榊原氏がインタビューに応じた。

「あの損失隠し事件があったにもかかわらず、オリンパスの隠蔽する体質は変わっていません。私は裁判を起こしていますが、このままでは問題が知られることのないまま終わってしまう。そこで、お話しすることに決めました」

 告発のきっかけとなった“騒動”は、昨年の暮れに東京・新宿のオリンパス本社で起きた。高層ビルの15階に怒声が響き渡る。

「メールを停止するんですよ、この人!」

 数百人もの社員が耳をそばだてた。怒声の主は榊原氏で、「この人」とは彼の上司である法務部長のことだ。オリンパスが中国・深センで地元マフィアとつながりを持ち、そのルートを経由して税関関係者に賄賂を贈り、経営上の問題を処理してもらっていた疑いが強まった(※注2)。

【※注2/オリンパスの深セン子会社は2006年、中国当局から実際の在庫と理論上の在庫が大きく食い違うと指摘され、数百億円もの罰金を命じられる可能性が生じた。その問題の処理を現地の経営コンサルタントに依頼し罰金は免れたが、後に中国マフィアである疑いが浮上。支払う報酬の一部が、賄賂として中国当局者に流れた疑惑も指摘された】

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