主人公が弁護しない『リーガルV』も!○○しない連ドラが流行

NEWSポストセブン / 2018年10月27日 7時0分

 また、春にも主人公の相棒ではあったものの、「外出捜査をしない刑事」の活躍を描いた『未解決の女 警視庁文書捜査官』(テレビ朝日系)が放送されましたし、昨年放送された『貴族探偵』(フジテレビ系)も「推理しない探偵」が主人公でした。

 連ドラの制作サイドが「〇〇しない主人公」を狙い撃ちしているのは間違いありませんし、米倉涼子さんという大物女優や、山崎賢人という旬の若手俳優を起用していることから、「変化球で目先を変える」というより、「直球で真っ向勝負」しているようにも見えます。

 なぜ本来の見せ場を生かせない設定の「〇〇しない主人公」が描かれ、好評なのでしょうか。

◆弁護士、医師、刑事の3大ジャンルに集中

 考えられる主な理由は、下記の2つです。

 1つ目の理由は、競争の激しいジャンルでの差別化。「〇〇しない主人公」の大半は、弁護士、医師、刑事関連であり、近年最も多くの連ドラが制作されているジャンルのため、企画を通す際には差別化が必要となります。

 各局のスタッフが差別化のためにさまざまな切り口を考えた結果、たどり着いたのは「最大の強みや見せ場を捨てる」ことでした。加えて『リーガルV』は、『ドクターX』で一匹狼として巨大組織と戦ってきた米倉さんが、今度は「自らチームを作って巨大組織と戦う」という差別化の意味も見逃せません。視聴者にとっては、「弁護しない元弁護士」に加えて、「チームで戦う」というダブルの差別化があるため、新鮮な印象があるのです。

 激しい競争による差別化は連ドラだけでなく、小説や漫画の世界でも同様。実際、『リーガルV』はオリジナルですが、『透明なゆりかご』『未解決の女』『貴族探偵』などは原作があり、原作者と連ドラスタッフの「差別化したい」という気持ちが一致したと言えます。

 2つ目の理由は、主人公を視聴者の目線に近づけ、感情移入しやすくするため。「弁護する弁護士」「手術する外科医」のようなヒーロー型の主人公は、高いスキルを生かした問題解決が痛快ではあるものの、それほど感情移入できません。一方、「弁護しない元弁護士」「手術しないレジデント」は視聴者の目線に近い分、そのもどかしさや一生懸命さが伝わりやすいところがあります。

◆かつては『HERO』ような「〇〇する」が主流

 たとえるなら、「弁護する弁護士」「手術する外科医」が北風で、「弁護しない元弁護士」「手術しないレジデント」は太陽。個人技の強さではなく、温かい姿勢と言葉で相手の心を動かす姿を見て、視聴者も心を動かされているのです。

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