東大正門前『喫茶ルオー』 東大紛争時は負傷学生の避難所に

NEWSポストセブン / 2012年1月25日 16時1分

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東大生が通い続ける『喫茶ルオー』

学生時代、懐かしく思い出すのは大学近くの定食屋。今も店主たちは、変わらぬ味と笑顔で出迎えてくれる。そんな「わが大学の人情定食屋」のひとつ、東京大学本郷キャンパス近くにある『喫茶ルオー』を紹介しよう。

東京大学正門の向かいに佇む『喫茶ルオー』の歴史は60年に及ぶ。昭和27年に画家の森田賢さんが赤門前に画廊喫茶として開業。昭和30年に入店した現店主の山下淳一さんが昭和54年に引き継ぎ、現在地に店を移した。

「昭和30年代の本郷通りは古書店、雀荘、喫茶店が数多く立ち並び、まさに学生街だったんですよ。赤門前のルオーは120席もあって、学生、芸術家や劇団員、文学関係者の溜まり場で賑やかでした」(山下さん)

1960年代後半には鶴見俊輔、小田実、開高健などべ平連(ベトナムに平和を!市民連合)のメンバーも立ち寄ったという。

「東大紛争の頃はケガをした学生が店に避難しに来たことも。本郷通りの歩道は石板敷きだったので、学生たちがたたき割って投石したんです。それにしても当時の学生はよく議論をしていました」

そしてカレーもよく食べたという。久しぶりに店を訪れ、ゴロンと入っている牛肉の大きな塊をほぐしながら「ちっとも味が変わっていない」と懐かしむ卒業生も多い。舌は味を忘れず、味は過ぎ去った時を呼び戻す。

「ここで勉強して司法試験に合格した学生もいます。入学した娘さんを連れたお父さんが『私も、私の父も学生時代に来ていました。親子三代です』と声をかけてくださったりすると、続けてきてよかったと思います」(山下さん)

【住所】東京都文京区本郷6-1-14
【営業時間】9時半~20時(土曜は17時まで)
【定休日】日曜

撮影■伊坂英彰

※週刊ポスト2012年2月3日号



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