天才囲碁少女の仲邑菫さん 義務教育優先主義は「雑音」か

NEWSポストセブン / 2019年1月24日 7時0分

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仲邑菫さんと父の仲邑信也九段(写真/時事通信フォト)

 いま日本で最も注目されている9歳といえば、今年4月に史上最年少の10歳0か月で囲碁のプロとしてデビューすることが決まっている仲邑菫(なかむら・すみれ)さんだろう。1月23日には韓国・ソウルで行われた女流世界トップの崔精(チェ・ジョン)九段との記念対局があった。定先(最少のハンディ)で挑み惜しくも敗れはしたが、攻める姿勢を崩さず、能力の高さを示した。彼女はなぜそれほど強くなったのか。囲碁観戦記者の内藤由起子氏がレポートする。

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 世界で戦える囲碁棋士を育てるため、昨年末に新設された、小学生のみを対象とした「英才枠」での採用第一号となった菫さん。試験碁を打った張栩名人が、「この年齢でここまで到達するとは衝撃的」と脱帽するほどの才能の持ち主だ。

 国民栄誉賞を受賞した井山裕太五冠との対局では、定先で対局するも、途中まで菫さんが押す内容だった。菫さんを幼少時代から知る井山五冠も、ここ1年での長足の進歩に「恐ろしい」「素晴らしい才能の持ち主」と絶賛した。この碁を見た棋士たちの間では、すでにプロ棋士の真ん中ランクの実力があるともっぱらの評判だ。

 菫さんは、プロ棋士の仲邑信也九段と元囲碁インストラクターの幸さんの間に生まれた。幸さんの妹・石井茜三段も棋士という囲碁一家で育つ。

 3歳でルールを覚えると、瞬く間に上達していき、未就学児の大会で優勝。さらに女流アマの全国大会に大阪代表で出場するなど活躍し、囲碁界では名の知れた存在になった。

 どうしてそれほど強くなったのか──。ひとつは、3歳から毎日7~9時間を囲碁の勉強に費やしたというから驚きだ。大人でも大変な行為を、菫さんはこれまでずっと続けてきた。それも本人が進んでやったというからさらに驚く。

 ルールを覚えてすぐは、元インストラクターのお母さんが相手をし、わざと負けて勝つ喜びを教えたという。碁が楽しくなるように心がけたのがよかったのだろう。また、両親いわく、極度の負けず嫌いだという菫さん。まだ初心者のころ「負かして泣かれた」と証言する棋士は多い。その性格と相まって、努力が続いたようだ。6歳のころの菫さんを見て、井山五冠は「すごい才能の子がいる」と、すでに評価していたという。

 菫さんが小学1年生のころ、囲碁大会で娘どうしが対戦したママさん仲間が、「お母さんが強いから打ってあげられていいですね」と声をかけると、幸さんは「娘が私に打とうって言うのですが、もうそんなに打てないわ」と答えたのに、このママさんはびっくりした。碁をやらせたい親が、なんとかして子供を碁盤の前に座らせようと必死になる構図が当たり前の世界なのに、この親子は違うと印象に残ったそうだ。

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