NHK組織大改変で“反権力”職員72名が提出した反論意見書

NEWSポストセブン / 2019年2月17日 16時0分

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組織改編で騒動が勃発(時事通信フォト)

「安倍一強」と言われる政治状況は、権力とメディアの関係性もがらりと変えた。露骨な圧力など加えずとも、メディアの側が権力にすり寄る構図が鮮明になっている。NHKの「組織大改編」をめぐる騒動は、その一面を露わにした。

◆部の全員が声を上げた

 ここに「要望書」と題した一通の書面がある。差出人は、NHKの文化・福祉番組部職員一同。宛先は同局の制作局局長だ。要望書にはこうある。

〈今回の組織改正案について、文化・福祉番組部では1月31日・2月4日に、〇〇(注・原文では本名)部長より説明会が開かれました。(中略)福祉と文化が切り離されることについて驚きと強い懸念を抱いています〉
〈現在部員の全員(管理職を含む)が、現状の説明では納得がいっていないと考えています〉
〈NHKの番組全体の多様性が失われることを懸念する〉

 要望書の中で、局長に対し、〈意見交換の場を求める〉とした部員は72名。海外留学中の部員を除く全員である。NHK局員が語る。

「現在、NHKでは番組制作体制の大幅な見直しを進めています。すでに上層部は組織改編案を作成しており、今年6月から新体制をスタートする方針です」

 NHK(EテレやBSを含む)の自局番組制作は、政治部や社会部、経済部などニュース系番組を担当する「報道局」と、ドラマやバラエティ、情報番組を担当する「制作局」の2局によって行なわれている。今回、“改革の本丸”となったのが後者の制作局だった。

 改編案には、制作局の8部署(青少年・教育番組部、文化・福祉番組部、経済・社会情報番組部、生活・食料番組部、科学・環境番組部、ドラマ番組部、エンターテインメント番組部、音楽・伝統芸能番組部)を全て廃止し、新たに6つの「制作ユニット」に再編するとの計画が示されている(図参照)。

「『従来の組織は縦割りで、専門性は身につくものの、幅広い制作スキルが育たず、局員の柔軟な運用もできない』という説明です。各ユニットには部長に相当するジャンル長がいて、人事発令がなくても、それぞれのジャンル長の判断でユニットをまたいだ異動ができるようになる」(NHK制作局の局員)

 縦割り体制の見直しを目的とした組織改編という理由はもっともに聞こえるが、今回の改編には、それとは“別の意図”が見え隠れするという。

「改編と言っても、旧来のほとんどの部署は横滑りで新ユニットに移行する。例えば、『青少年・教育番組部』は第1ユニットの『教育・次世代』に、『エンターテインメント番組部』と『音楽・伝統芸能番組部』は第5ユニットの『音楽・芸能』に改編されるので、業務内容はこれまでと大きく変わらない。

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